PiPi's World 投稿小説

モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 316
 318
の最後へ

モンスターハーレム 第2章 318


急ブレーキをかけ、その反動を利用してローに渾身のキックをお見舞いする。
なおも鉄拳を振り下ろそうとするローに、オレのキックはカウンター気味に命中。
ローの動きが止まった。
そのスキにオレは距離を取り、すばやく体勢を立て直す。
この間、わずか1分にも満たない。
まさに電光石火、一瞬の攻防だった。

「ハア〜ッ、ハア〜ッ・・・!」

九死に一生を得たオレは、冷や汗を大量にかきながら、懸命に乱れた呼吸を整えていた。
頭を果物のよーに砕かれることは避けたが、ピンチそのものは抜け切っていない。
むしろこれからが勝負どころと言えるだろう。
それほど状況は悪かった。
こっちはローの不意打ちを食らって、身体に大ダメージを受けている。
医者じゃないから詳しいことはわからないが、アバラの1本や2本は確実に折れていると思う。
それに対して向こうと来たら・・・。

「・・・ふう。やっぱりそう簡単に死んでくれねーか。
 せめて痛みを感じないうちに殺してやろうと思ったんだがなぁ」

大したダメージなどないと言わんばかりに、首をコキコキ鳴らしてつぶやくロー。
そうだよなぁ。
まるで岩でも蹴り飛ばしたかと思うくらい、固い感触だったもんなぁ。
たぶん動きが止まったのは頭に当たったせいで、軽い脳震盪でも起こしたからだろう。
それとも抵抗しようとするオレに情けでもかけてくれたのか。
どっちにしろ、オレはピンチの真っ只中にいることに変わりなかった。クソッ!!
だがどんな状況であれ、殺されたくなければ倒さなければならないのが世の常だ。

「ふう〜っ・・・。フッ!」

バキィッ!

オレは自分に喝を入れるべく、自分で自分をブン殴った。
口の中にたまった血を吐き出して覚悟を決めた。

「悪ぃがこっちも死ネと言われて、ハイワカリマシタなんて言えるタイプじゃないんでね。
 精一杯抵抗させてもらうわ。
 ・・・で?一応確認しておくが、殺したいのはオレであって、アイツらじゃあないんだな?」
「ああ。こっちもムダな殺しは好きじゃない。
 『竜人姫』の異名にかけて誓うよ」
「OK。んじゃ・・・始めますかっ!」

聞きたいことを聞いたオレは、先手必勝とばかりに攻撃を仕掛ける。
先に不意打ちかましたのは向こうなんだから、これくらいはサービスしてもらわないとなっ!!
居合い抜きの要領で下から上へバッサリと切り捨てるべく剣を振るう。
タイミングは完璧。いくら異名持ちでもこれはかわせないはず・・・!

ガ、キィ・・・ッ!

だが。この時オレは彼女の異名持ちとしての実力を甘く見ていた。
振り上げたオレの一撃は、ローの右手1本に防がれたのだ。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す