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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 314

だが事ここに至って、それは痛くもない腹を探られる原因にしかならない。
オレの『説得』に対し、狭霧はポツリポツリと話してくれた。
具体的にどんな説得だったかは秘密だ。
それによると、狭霧は戦巫女という、地上でもめずらしい職業の戦士だったらしい。
何でも地上の東の国にある職業で、幼い頃からさまざまな教養と技術を叩き込まれるらしい。
だがその目的の腹の立つこと腹の立つこと。
神に仕える忠実な下僕として、神に逆らうモンスターを皆殺しにすることが戦巫女の使命だと言うのだ。
狭霧がその仕事をやめた『理由』を聞いていなければ、間違いなく人間不信になっていたことだろう。

「しっかしムカつく話だな、それ。
 いまだにオレたち魔物の残党を殺そうとしているってだけでもムカつくのに、そのために自分の仲間を実験台にするなんて」

そう。狭霧が戦巫女を抜けた理由。
それは神の下僕として使命を果たすため、連中は狭霧の唯一の肉親である妹を、何かの実験台にしたらしい。
しかしその実験とやらは失敗したらしい。
モルモットとなった狭霧の妹は暴走し、殺戮と破壊の限りを尽くして逃走した。
だが最悪なのはここからだ。
失敗がバレることを恐れた上層部は、事実を隠蔽しようと逃げた妹を死亡扱いし、逃げた本人は化け物として処分するように仕向けたのだ。
そのカラクリを偶然知った狭霧は、こうして1人妹を探す旅に出た、ということらしい。
狭霧がこれを話すのをためらったのも無理はない。
探す相手は人間に疎まれた、魔物を殺す存在なんだから。
全てを話した狭霧は、苦虫を噛んだような顔のまま、オレたちに言う。

「・・・この話は誰にもしないでくれ。協力もいらない。
 これは私が、私1人だけで解決しなければならない問題なんだ・・・っ」

それはここに来た目的を話してしまった後悔だけではない、それ以外の苦悩が見て取れた。
だが正直なところ、オレにはそんな約束はできない。
襲われたら迎撃するし、仲間を殺そうものなら何が何でも仇を討とうとするだろうから。
だからオレはあいまいな答えを返すのみ。

「ん〜・・・?ま、好きにすれば?オレらもオレらで好きにするから、さ」

その言葉に、狭霧は複雑そうな、微妙な表情を浮かべる。
オレの言わんとしていることを察したのかもしれない。
特別な職業に就いていたって言うし。
だがオレが今考えるべきなのはそんなことじゃない。
考えるべきこと。それはオレのつがいとなった女たちのことだ。
今までオレは本能や欲求に従い、考えなしに多くの女たちを抱いてきた。
そしてその結果ソウルイーターと狭霧が殺しあいかけた、というとんでもないトラブルが発生した。
幸い、今回は事なきを得たが・・・。

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