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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 32


サークが武器を片手に声の発信源に向かって走り出す。
助けに行くのか?その瞬間!!

ゴシュッ・・・!!

床ごと何かを断ち切る音ともに、大量の血しぶきが上がった。
だが攻撃はまだ終わらない。すでに息絶えているであろう部下に向かって再び凶刃を振りかざす。

ゴシュッ・・・ゴシュッ・・・ゴシュッ・・・!!

何度も何度も振り下ろされる凶刃。
執拗に振り下ろされる刃は己とその主を赤く染め、なおも飽き足らずに味方を切り裂く。
その様子に、さしものテスも動揺せずにはいられなかった。

(な・・・何だ?何なのだ、アイツは!?
 アイツは本当に私の知るサークと同一人物なのかっ!?
 アレではまるで・・・)

『狂戦士』・・・そのフレーズが出てきた瞬間、テスは全てを悟った。
おそらく彼女は封身解放をしたのだ。
本来の姿・・・狂戦士バーサーカーに。
敵味方の区別なく、破壊と虐殺を繰り返すと言われるバーサーカーならば、今までの行動や様子も納得できる。
しかしそれは、同時に最悪の敵の出現を意味する。
テスの知る限り、バーサーカーには理性も痛覚も何もない。
己の身体も省みずに破壊の限りを尽くす。
それがバーサーカーだ。
さっきはたまたま死角から不意打ちされて、ビックリした程度の話に過ぎない。
まともにやり合えば、勝っても負けてもタダではすまない。
かと言って、逃げようとすればその時点でヤツは襲いかかってくるだろう。
手負いの仲間を引き連れた状態で、テスはかなり不利な状況に追い込まれていた。

――――

「「「ッ!?」」」

同時刻。オレを含む意識のある連中は、途方もない凶悪な何かを感じて不毛な争いをやめていた。
それは魔力なんて上品なものではない。
あえて言うならドス黒い殺意の塊、みたいなものだろうか。

「あやや・・・。この方角・・・もしかしてテスちゃん、サークちゃんと鉢合わせしちゃったかな、こりゃ?」
「何だとっ!?」

キュリエルのつぶやきに、オレはようやくテスがいないことに気がついた。
あのバカ・・・!死にたがりが治ったかと思えばいきなりムチャしやがって・・・ッ!
オレは怒りに身を震わせながら、その一方でこれからどうすべきかを考える。
これだけの殺気を放つようなバケモノ相手に、大勢で行くことは正直ためらわれる。
相手はおそらく反対派の全勢力を連れて来ているはずだ。
こちらが全勢力を出したところで、オレも仲間もタダではすまない。
ならば敵のトップの首を取って、短期決戦を図るしかない。
それには兵士をひきつける囮役の軍勢や大将の首を取る少数精鋭がほしい。

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