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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 294

そしてその視線は当然、その原因のオレに向くわけで。
そこでたまっていた不満は、一瞬にして驚きに変化した。

「お、お兄ちゃんっ!?な、いつの間に帰ってきたのだ!?」
「「「「『お兄ちゃん』っ!?」」」」

大声を上げてのお兄ちゃん発言に、魔物娘たちが大いに驚く。
あー、そう言えばコイツがオレのことそう呼ぶって知ってるの、ほんの一部だけだったなぁ・・・。
だって人数多くて、いちいち説明すんの面倒だったし。
オレがそんなことを思っている中、大衆の面前でお兄ちゃんなどと呼んでしまったテスは、めずらしく顔を真っ赤にさせて狼狽する。
反対派にいた頃は『死にたがり』とも呼ばれていた自分が口にするには、あまりに不似合いな言葉だと思ったのだろう。
しかし事態はこれで留まらない。
出産騒動でオレもすっかり忘れていたが、その目的がやってきたのだ。

バンッ!

「おいっ!サルスベリとロカが産気づいたっていうのは本当かっ!?」
「お2人とも大丈夫なんですかっ!?」

サルスベリたちの話を聞いたオルゾスたちが、大急ぎで戻ってきたのだ。
そして口々に2人を心配する中に、ソウルイーターの探していたあの狭霧の姿もあった。
あーもー、よりにもよってこの忙しい状況で戻ってくるかなー。
オレは混沌としてきた現場に、そう愚痴らずにはいられなかった。
しかし事態はオレを無視してさらなる混沌を呼び寄せた。

「!!」×2

ソウルイーターと狭霧は出会うなり、弾かれたように動き出す。
さすがは愚者の迷宮の最深部に迷い込んだ冒険者。
人間との大戦で生き残った英雄たる魔物。
わずか数秒にして、2人は互いに一撃を加えられる体勢になっていた。

「その衣装・・・東方の戦巫女のものね・・・。
 魔物を打ち滅ぼすことを使命とする殺戮者が、この地に何の用だ!」

狭霧の頭に掌の標準を合わせ、彼女に怒鳴りつけるソウルイーター。
もし狭霧が不穏な行動を見せたら、あの手から生命力を吸われることになるのだろう。

「それはこちらのセリフだ・・・。
 存在するだけでこの世に害をなす悪霊め、何故この世に迷い出た!?
 その穢れた存在、我が剣にて一片残さず消し去ってくれるッ!」

売り言葉に買い言葉。狭霧も負けじと吠え立てる。
狭霧は刀の柄を握り締め、一見出遅れたような体勢をしている。
しかし今のオレにはわかる。

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