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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 293


「な、何すんだ、おまえらっ!?」

重圧の苦しみに耐えつつ、オレが思わず怒りと疑問の声を上げると。
魔物娘たちから次々と反論の声が上がった。

「ダメですラグ様っ!
 出産の最中は誰も立ち入るなと、アスタナビュート様たちから言われてるんですっ!」
「それに出産は女の仕事!女の聖域!
 たとえつがいのラグ様でも、こればっかりは譲れませんっ!」

出産中に何かあったらどうするんだ。
女にしかできないことに男が口を挟むなとか、非難のこもったまなざしで次々と文句が飛び交う。
いくら気が利かなかったとは言え、これは言い過ぎじゃないか?
さすがのオレも女たちの苦言を不愉快に感じたその時だ。

「「うっ・・・!?ううっ・・・あーーーーッ!!??」」

ドアの向こうから聞き覚えのある女の叫び声が、ステレオで飛び込んできた。

オギャーッ!!

それが誰のものか、考えるより先に聞いたこともない叫び声が迷宮中に聞かせるかのように響き渡った。
その叫びを聞いた全てのものが、あふれる感情に一瞬沈黙し・・・歓喜のざわめきに変わった。
ついにオレの子供たちがこの世に生まれたのだ。
しかも1人だけではなかったのか、その後も次々と叫び声が聞こえてくる。
みなが歓喜に沸く中、オレは子供ができた事実にどうしていいのかわからず、ただ黙って震えていた。
何もできなかった自分を責めるべきなのか。
邪魔した魔物娘たちを怒るべきなのか。
新しい生命の誕生に喜ぶべきなのか。
ギャラリーをよそに、1人オレが悩んでいると。
閉じられていた扉が開き、中からテスが疲れた様子で現れた。

「テス様っ!」
「テス様、生まれた子供は何人ですかっ?」
「男の子?女の子?」
「サルスベリ様とロカ様は大丈夫なのですか?!」

ギャラリーたちは好奇心と不安いっぱいの様子でテスに詰め寄る。
そうだ。生まれた子供は元気でも、母親となったサルスベリたちは大丈夫なのか。
オレは判決を待つ被疑者のような気持ちで、テスの言葉を待った。

「・・・安心しろ。母子ともに元気だ。
 それよりおまえら、何があった?
 静かにしてろとあれほど言ったのに・・・」

初めて出産に立ち会ったために疲れたのだろう。
そこにはよけいな疲労を重ねたことへの怒りが見て取れた。

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