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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 289

「…なんだと?」
ローの呟きに、思わずトルナが足を止める。思わず振り向こうとした時、足元の異常にようやく気がついた。

「トルナ!!その魔方陣から絶対出るな!!!」

トルナの動きが止まり、ゆっくりと足元に視線を移す。
足元には自分を中心とした半径ニメートルほどの青白い円形の紋様。
「あの女!!オレらごと強制転移かよ!!」

見れば自分だけでなくローの他、未だに意識が無いニオルドとラープラにも円形の紋様。…青白い光は徐々に強くなる。
「ロー様!!」
「来るな!!じっとしてろ!!…くそっ!!間に合え…」

ローは魔方陣から出るとニオルドとラープラに魔力を分ける。先程以上に時間が無いため十分な量ではないが、最下層の環境対策として一次凌ぎであるなら余裕の分量だ。

それと同時に魔方陣の輝きが強くなる。
「やばっ!」
慌てて魔方陣に戻るロー。
トルナは堪らず傍に寄ろうとするが、それをローは制した。
…絶対に来るな、と。

それでも。
トルナは恐れずにローに向かって駆け出した。
植え付けられた偽りの忠誠心かもしれない。単純に戦力が欲しかっただけかもしれない。けど、それでも良いと思えた。だって「今」は、竜神姫ローの僕なのだから。
しかしトルナが魔法陣から出た瞬間、回りの『空気』が変わっていたのに気が付いた。
空気が身体にまとわりつく感覚。重苦しく不愉快に感じる。
辺りはいつの間にか景色が変わっていたのにようやく気が付いた。ローが言っていた転送魔法の結果だろうか。
先ほどまでのボロボロの石造りの回廊ではなく、漆黒の大きな空間。一言で言えば教会に近い。
「絶望の間かよ…。やっぱりあの女か」
足元にはニオルドとラープラ。
ローのつぶやきから察するに、やはりローは転送魔法を用いた人物を知っているようである。
トルナはローに聞いてみようとするが、それより前にその部屋に声が響いた。

「お久しぶりですね、竜神姫」
「ふん、やっぱ門番はお前さんだったのか。手間が省けたよ」

その声の主はクスクスと笑う。

「私を探していたのでしょう?ちょっと時間が惜しかったから呼んだのよ」
「時間ねぇ…。敵意剥き出しなアホをけしかけておいて良く言う」
ローはやや不機嫌そうだ。部屋の奥を睨み付ける。

「そう怒らないで。…今そっちに行くわ。全部説明するから」

その言葉と共に、ローが睨んでいた暗闇から一つの足音が静かに響き渡る。
「あの…ロー様。あの声の方は…」
恐る恐るトルナは尋ねる。どうやら敵意はないようだが、会話の雰囲気から好意を持ってもいないようである。

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