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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 285


―※―

ラグがソウルイーターを連れて歩き始めたその頃。
彼女は同じ最下層にて探し物をしていた。

「…たしか、この辺りだったはずだが」

彼女―竜人姫ローは通路の崩れた部分を覗いていた。たしかここにあったはずだ。『あいつ』の元に辿り着く、最短ルートが。
だがその通路を使用していたのは大戦以前のこと。今では記憶も薄れ、やっと辿り着いた場所も崩れていた。

「面倒だが…仕方ない。もう一働き……ん?」

不意に、声が聞こえた。
ここ、最下層には住人はほとんどいない。それは幾つかの理由があるからだ。
大きな理由の一つとして『魂喰い』の存在。つまりはソウルイーターが存在し、常に魔力が喰われているからだ。ある程度の上級クラスの魔物であれば気にならない程度の魔力だが、それでも不愉快な気分になるのは確かである。
もう一つはフロア全体に『レベルダウン』の呪いが掛けられているからだ。レベルダウンは俗称で、正確には『生ける存在の魔力や精神力を喰い、筋力を鈍らせる』呪いである。これは万が一、人間が最下層に到達した際の保険として創られたのだが、結果として魔物も住むことができなくなった。
「…さて。一体誰が…?」

ローは首を傾げながらその声がする方へ歩み始めた。


―※―


「私は……最低だ」
ラープラは呟く。
人口魔王を封育樹に案内しただけではなく…
「私は…サーク様を見捨ててしまった……」

あの封育樹の部屋にて。サーク将軍が人口魔王に犯されている姿を直視できなかった。
サーク将軍を助けなければならないが、それはこの部屋に居る魔物を全て敵にまわすこととなる。多勢に無勢。
故にラープラは隙を見て部屋を離脱し、仲間を探した。

…サーク将軍を人口魔王は助けると言っていた。ならば自分が出来ることは戦力を整える事だ。話によれば反対派はほぼ壊滅。捕まっているとすれば牢屋だろう、そう詠んで行動をした。その結果…

「大丈夫だ。戦力が整い、サーク将軍を救出した時は、我等はサーク将軍によって屍となる。…それだけの話だろう?」

一人の魔物を背負ったニオルドが答えた。
彼女は尋問の後、ずっと牢屋に閉じ込められていたのだが、ラープラが救出したのだ。背中にいるのは偶々食事を運んでいた人口魔王一派の魔物である。
名はたしか「トルナ」とか言ったか。眼帯の少女である。種族は恐らく巨人一族のサイクロプス。
場合によっては人質にするつもりだったのだが、牢屋を脱出後誰とも会わずにここまで逃走できたのは少々拍子抜けであった。
未だ担いでいるのは、手放すタイミングがなかっただけである。
「しかし…ここは何処だ?距離は稼いだと思うのだが」
「うむ…牢屋を脱出して、少々疲れもある。休憩したいが…」


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