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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 284


「・・・変わった連中だったわ。
 私が自分の意思と無関係に生命力を吸い取る魔物だと知って、ここに住み着くくらいなんですもの」
「でもそれを承知で来たくらいだ。それだけの力は持ってたんだろ?」
「当然ね。彼女らカラドリウスは生の象徴と言われるモンスター。
 言わば私の対極に位置する存在。
 私のエナジードレインなど簡単に無効化してくれたわ。
 自分にはどうすることもできなかった問題をあっさりと、ね」

そう語るソウルイーターの顔には苦笑に混じってその時を懐かしむ、優しい表情が浮かんでいた。
その表情からカラドリウスというモンスターの強さと人柄が十分にうかがえた。

「彼女ら・・・って、そいつら女だったのか?
 何か日記には、自分は男でも女でもないみたいなことが書いてあったけど」
「そのとおりよ。2人のうち、1人はまだ幼い子供だったの。
 カラドリウスってモンスターは、成人になって初めて性別が決まるのよ。
 彼女、自分以外の同族はもうこのコしかいないだろうって言ってたから、それはとても大切にしていたわ・・・」
「それじゃ、カグラとか他の女モンスターたちが放っておかなかったろ?」

あの女(カグラ)は、この迷宮には男がいないと言っていた。
オレたちモンスターは人間よりも本能に忠実なところがあるから、迫ってくる女もかなりいたことだろう。
キュリエルなんかは本能と関係なくスケベだったけどな。

「・・・あ」

と、自分でそこまで言って、ようやく気がついた。
なぜカラドリウスの2人が、エナジードレインされる危険を冒してまで最下層までやってきたのか。
オレのマヌケな顔にソウルイーターも気づいたのだろう。
そうだと軽く首を縦に振って肯定した。
そう。連中がここに来たのはそういった連中の手から逃れるため。
彼女は彼女らを守る番犬役だったのだ。

「もちろん、私のエナジードレインを恐れずやってくるのはいたけど・・・。
 あなたや彼女たちのような強い魔物はそうそういないみたいでね。
 そのうち落ち着いていったわ」
「じゃあ何で2人はここから出て行こうなんて考えたんだ?」
「・・・っ。さあ、そこまでは知らないわ」


オレの質問に、ソウルイーターは明らかに『しまった』と顔をゆがませると、プイと顔を背けて話を打ち切ってしまった。
これ以上話をする気はないらしい。
まぁ、言いたくなければ黙ってればいいさ。
口を割らす機会なんてこれからいくらでもあることだし。
何より今はそれより気をつけなければならないことがある。

「・・・ここから先が内区だ。くれぐれもまわりの連中に手を出すなよ」

そう。いよいよここからが本番だ。
オレはそう思いながら、その危険な一歩を踏み出し始めたのだった。

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