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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 29

周囲の精神温度が異常過昇してるのに、キュリエルだけが気づいていない。
?!
不意に視界の上下が反転した。
「おのれ、私という者がありながらー!!!」
なんとオルゾスがオレを上下ひっくり返して、自分の首のそばにオレの首を肩に担いで、オレの両太腿を掴んで飛び上がり、そして尻から着地した!!
「がはっ!」
着地の衝撃で首、背中、股の3箇所を同時に極める思わぬ攻撃に、オレは悲鳴を口にすることしか出来なかった。

「・・・!!(泣)」

しかし攻撃はまだ終わらない。
今度はサルモネラが自慢の怪力でオレの身体をひったくると、ものすごい勢いでオレをシェイクし始めた。
たぶん『どうしてですかっ!?どこか私に至らないところがありましたかっ!?お願いですから見捨てないでください〜ッ!』などと言って問い詰めているのだろう。
たぶん、というのはオルゾスの妙技を食らった時点で、すでに意識が吹っ飛んでいたからだ。
その頃、オレの精神は石だらけの河原でうろうろしていた。
オレが意識を取り戻すまでまだ時間がかかるので、それまでの間、話の舞台をテスのほうに移しておこう。

――――

話の舞台はサークたちのいた大広間のすぐ隣の通路。
時間はテスが魔法を使った直後の頃である。
そこでは大掛かりな魔法を使い、端整な顔に一筋の汗を流したテスがいた。

「・・・ふぅ。これで反対派の主だった連中はあらかた始末できたな」

勝利を確信したテスが汗をぬぐいながらそうつぶやく。
今、この壁1枚隔てた向こう側では、地獄のような光景が広がっているだろう。
逃げることすらできないものは砂に押し殺され、逃げようとしたものはすぐに死ぬことすらできずゆっくりと窒息死していくはずだ。
反対派にいた頃は戦って死ぬことを目的としていた。
だからせめてもの情けのつもりで、こんな大掛かりでヘタをすれば相打ちになってしまうような技は使わなかったのだが・・・。
人生とはわからないものである。
まぁ、とにかくこれで反対派は事実上、完全に壊滅。
ある程度の兵士は残っているだろうが、所詮彼女らはザコ。
指導者を失っては大したことはできまい。

・・・ぃ・・・

「・・・ん?」

敵を滅ぼし、テスが安堵のため息をついていると。
不意に何者かの声が聞こえた様な気がしてきた。
どこかにまだ反対派の残党が残っていたか?
そう思って気を引き締めると、通路の奥からどこかで聞いたような声が響いてきた。

「・・・〜い、テスさ・・・!」
「・・・ナナリ・・・!」

それはテスと同じく、独断で反対派の壊滅に向かったダークエルフのナナリであった。
背中には反対派の兵士であった女を、拘束した状態で背負っている。

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