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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 278


「ここは・・・どこだ?おまえの部屋じゃない、みたいだけど」
「・・・。ここはあなたの倒れたところの近く。
 今はいない、魔物の住人の部屋よ」

オレの質問に、ソウルイーターはどこか憂いを帯びた表情でふっと微笑んだ。
しかしオレはそんな変化に気づかず、その部屋に視線を向けていた。
横になっているのでわかりにくいが、ここはオレがあの日記を読んだ部屋とはまた違うようだ。
確かにここの部屋も使われなくなって久しいようだが・・・。
オレはこの最下層に2つも住人のいた部屋があるという事実に、ある疑問を感じていた。
誰かが住んでいたと思われる2つの部屋。
ソウルイーターがいたにも関わらず、エナジードレインをものともせずに暮らしていた、テレサという女とカラドリウスというモンスター。
そして突然ここから姿を消した2人。
愚者の迷宮でももっとも深く、ソウルイーターという存在があったために誰も近寄らなくなった場所、それが最下層。
しかしちょっとふたを開けてみれば、そこにはおかしな話がそこかしこに転がっている。
これはいったいどういうことなのか?
オレは好奇心に導かれるまま、疑問をソウルイーターにぶつけてみることにした。

「なぁ。さっきからこの最下層にはおまえ以外にも住人がいるみたいだけど・・・そいつらどこ行ったんだ?」
「・・・知らないわ。
 私にあれだけやられて、他の女のことを気にするなんて勇気あるのね?」
「いや、そーじゃねえって。
 ここを探索してたとき、オレ以外の男が書いた日記を読んだからさ、ちょっと気になったんだよ」

オレの答えにソウルイーターはふっと笑う。
それはついさっき見せた、あの何かを含んださみしげな微笑み。

「・・・みんな出て行ったわ。私のエナジードレインのせいで、ね」
「うそ言うなよ。
 それじゃあ何で内区にいたオレがそいつらに会えねえんだよ?」
「うそなんか言ってないわよ。この愚者の迷宮は広大なのよ?
 あなたが会ってないだけで、隠れた実力者なんて結構いるはずよ」
「・・・・・・」

そう言い切るソウルイーターだが、それでもオレは彼女がうそをついていると感じていた。
確かに彼女の理屈は間違っていない。
実際、カグラにここの地図をもらうまで、ここの存在を知らなかった。
でも彼女はうそをついている。
それは根拠のない確信だったが、オレはそれが間違いでないと疑わなかった。

「・・・ソウル。もう一度聞くぞ?
 ホントにここに住んでた連中はどこに行ったんだ?」
「だから。みんな私のせいでここから出て・・・あンッ!?」

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