モンスターハーレム 第2章 277
「あら、まだ余裕があるの?もうちょっと吸っておけばよかったかしら」
「ひいっ!?ちょちょ、ちょっと待てっ!?」
そんなバカなことを考えていたのに気づいたのだろう。
ソウルイーターの恐ろしい発言に、オレはあわてて飛び起きた。
またあんなに生気を吸われたら、冗談じゃなく本気で死ねる。
その様子がよほどおかしかったのか、ソウルイーターは口元に手を当てながら『冗談よ』と言って笑った。
それがホントかうそかわからないところがちょっと怖い。
「でもこれに懲りたら、もうヒトの身体をおもちゃにしようなんて思わないことね?
今度やったら二度と悪さできないように、チリになるまで吸ってやるから」
その言葉にオレは高速で首を縦に振った。
今度からいたずらするときは相手を見てやろうと、固く心に誓った瞬間であった。
九死に一生を得たオレは、その安堵感からホッとため息をついた。
その時だ。
クラッ・・・
「あ・・・?」
急にめまいを覚えたオレは、バランスを失ってその場に倒れる。
どうやら安心したことで火事場のバカ力が切れてしまったらしい。
起き上がるのもしんどい状態の中、ソウルイーターはクスクス笑いながらベッドから立ち上がる。
「あらあら、そこまで無理をしていたなんて・・・。
ちょっとお仕置きがキツすぎたかしら?
ほら、お水を持ってきたから、ゆっくりと飲みなさい」
そして壁の細い水路から流れ落ちる水をコップに汲むと、オレに水を飲ませてくれた。
母乳ではなく、わざわざ水を汲んできてくれるソウルイーターの心配りに感謝しつつ、ありがたくごちそうになる。
ああ、水がこんなにうまいと思ったのは、これが初めてかもしれない。
オレはベッドへと運ばれ、膝枕されつつ体力の回復に努める。
ソウルイーターのエナジー・ドレインで回復速度は遅いものの、時間をかければ何とか回復できそうだ。
セルフメディカルチェックを済ませたオレは、体力が回復するまでの間、自分のいるいる場所を確認することにした。
いったいどれくらい使われていなかったのか、この部屋には生活感が感じられず、空気も何となく埃っぽい。
・・・ここ、ソウルイーターの部屋じゃないのか?