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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 266

しかし逆に考えれば、ソウルイーターは仲間のため、こんなさみしい場所でずっと暮らしていたのである。

「・・・アイツも、いろいろ大変だったんだな」

オレはあの女の孤独な生活を想像して、思わずそんなことをつぶやいた。
今度アイツに会ったら、何か理由にかこつけて無駄話でもすることにしよう。
そんなことを考えながら進んでいると、変わり映えのない風景にちょっとした変化があった。

「・・・お?」

隠し部屋や隠し通路の多いこの迷宮ではめずらしい、1枚の扉が見えたのだ。
オレは興味を引かれて地図でその場所が何なのか、調べてみる。
別に何のことはない。ただの空き部屋だ。
たぶん、人間との大戦中に兵士の詰め所として使われていたのだろう。
だが殺風景な光景を見せられ続けたオレにとっては、そんなささいなことでもありがたい。
オレは嬉々としてその部屋に入っていった。
気分はちょっとした子供の探検気分であった。

「・・・お?」

部屋の中はまったく無人。
だがそこは予想とは違い、兵士の詰め所などではなかった。
と言うのも、部屋には本棚や机に大きめのサイズのベッド、そして床には割れたカップが転がっていたからだ。

「・・・ソウルイーターがここに来る前、誰か住んでいたのか?」

オレは部屋を物色しながらそんな推測を立ててみる。
が、すぐにそんなことはないだろうと思い直した。
アイツとはちょっと話した程度の付き合いだが、アイツの性格を考える限り、ここに引きこもったのはつい最近と言うわけでもないだろうからだ。
・・・ということは。そいつは少なくともソウルイーターと一緒にこの最下層で暮らしていたことになる。
アイツのエナジードレインをものともしないことになるから、そいつはかなり強い魔物ということになるな。
しかも家具にかかっている埃の量から、そいつはかなり近い時期までここに住んでいたようだ。
ただ気になるのは・・・。

「なんでこんなに荒れてるかってことなんだよな・・・」

そう。この部屋は強盗でも入ったのかと思えるくらいに物が散乱していた。
ベッドは引き裂かれ、飾られた絵は真っ二つに割られている。
床にはカップだけでなく、本棚の本があちらこちらに破かれ、打ち捨てられている。
だがオレはここに人間がやってきたなんて話は聞いたことがない。
あったら噂の1つや2つ上がっていて、おかしくないはずだ。
・・・ということは。この部屋の惨状はこの部屋の主がやったということなのだろう。

「・・・いったいここで何があったんだ?ケンカか?」

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