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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 265


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「あいっかわらず辛気くせえなぁ、ここは」

そしてやってきました、最下層。
ソウルイーターの服を作って届けるだけの依頼だったが、いろいろ寄り道してしまった。
きっと半裸の格好でオレを待ちわびていたことだろう。
早く服を届けてやらないとな。
そう考えたオレは、居場所もわからぬソウルイーターを探して歩き始めた。

「お〜い、ソウルイ〜タ〜?頼まれてたモン、持ってきたぞ〜!
 聞こえてたらこっちに来てくれ〜!お〜い!お〜い!ぉ〜ぃ・・・!」
大声を張り上げながら、ひたすら最下層を歩き回る。
誰もいない場所で大声を張り上げるのは何かむなしいが、アイツの居場所がわからない以上、この方法しかない。
アイツの耳に届けさえすれば、エネルギー生命体のアイツのことだ。
幽霊よろしく壁や天井、床から顔を出してくるに違いない。
そう思ってひたすら声を上げ続けること約10分。
すぐに捕まるだろうと思っていた相手はなかなか姿を現さなかった。

「っかしーな。すぐ見つかるとばかり思ってたんだけど・・・。
 あ、もしかして入れ違いになっちまったか?」

しかしソウルイーターがなんでオレにこんな仕事を頼んだか思い出して、すぐにその考えを打ち消した。
アイツは自分の意思とは無関係に、エナジードレインをやっていると言う。
吸い取る量や相手をある程度コントロールできるとは言え、仲間を傷つけたくなくてここにこもるようなヤツが内区に行くとも思えない。

「・・・となると、残る可能性は恥ずかしくてもっとおくに引っ込んだか、拗ねて出てこないか、か。
 どっちにしても面倒くせえなぁ、オイ」

いくら地図があるとは言え、かなりの重労働に思わず愚痴がもれる。
しかし理由が前者にしろ後者にしろ、そうさせたのはオレで、しかも寄り道していたせいだ。
これも罪滅ぼしのためだと自分を無理やり納得させて、更なる奥地へと進むことにした。
歩く歩く歩く。ソウルイーターを求めてどこまでも。
確かあいつはエナジードレインを止めることができないと言っていたので、何となく嫌な予感のするほうへと進んでいく。
魔物の本能が危険だと訴えるところに、ソウルイーターがいるだろうという、根拠のない考えの元に。
しかし進めば進むほど何もないところである。
元々ここは侵入者を遠回りさせるために存在するエリアだ。
それを考えれば何か期待するほうが間違っているとわかってはいるのだが・・・。
こうも変わり映えのない風景を見せられ続けていると、いいかげん飽きが来る。

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