モンスターハーレム 第2章 261
ただこれからのことを考えると、彼女らとHする機会はなかなかないじゃないかなーって思うわけで。
心と身体を重ね合わせた男としては、ちょっと後ろ髪が引かれる思いだった。
「あ、ラグ様。もう、終わったんですか?」
そんなことを考えていると。
目の前の部屋から出てきたオリオールが、オレの姿を認めて声をかけてきた。
今は妊娠中だし、オレも女殺しモードを意識して押さえていることもあり、その態度は至って普通だ。
「おう。でもしばらくはあそこに行かないほうがいいぞ。
今の姿を誰かに見られたら、相手を殺して自分も死ぬしかないって言わんばかりだったから」
「あ・・・あはは、注意しておきます」
乾いた笑いと冷や汗を流しながら答えるオリオール。
それはそうなってしまった自分を想像しているのか、それともそんな連中をそこまで辱められるオレへの恐怖か。
・・・いや、後半はちょっと言い過ぎだな。うん、格好つけすぎた。反省。
「ま、そーゆーわけだから。他の連中にも伝えといてくれな?」
「あ・・・もうどこかに行ってしまわれるんですか?」
オレの言葉から何かを感じ取ったオリオールは、どこかさみしそうな様子でそうつぶやいた。
しかしそんなささやかな変化に、オレはまだ気づけないでいた。
「ん。最下層でソウルイーターが待っているからな。
あんまり待たせんのも悪いべ」
「そう・・・ですか・・・」
主人に叱られた子犬のように、明らかに気落ちした様子で返事するオリオール。
その様子にさすがのオレも、ようやく彼女の気持ちってものに気がついた。
そうだよな。自分のつがいである男と一緒にいたいのは、人間・魔物問わず万国共通の気持ちだよな。
しかしソウルイーターも待ちわびているだろうし・・・。
さてどうしたもんかな?
じー・・・。じいぃぃぃーーー・・・・・・。
無言の圧力。行かないでと言わんばかりの憐憫を誘う目。
あーこらこら。そんな目でオレを見るんじゃない。
これじゃオレが悪役みたいねえか。
・・・まあ、悪役の代名詞の魔王(カグラ予定)なんだけどさ。
「・・・はぁ。しゃあねえな。少しだけだぞ?」
「・・・!は、はいっ!」
頼むからそんなに目を輝かせるな。
オレはそう言おうと思ったが、言っても無駄だと気づき、盛大にため息を1つ吐くのだった。