モンスターハーレム 第2章 27
オレは甘えようと近寄ってくるキュリエルと、ボロボロの身体を引きずって来たオルゾス、そして眠りからいち早く目覚めたサルモネラたちの間で動けなくなっていた。
オレもよく状況が飲み込めていないのだが、とりあえずキュリエルのゲームとやらには勝ったらしい。
その代償か、何か腰がダルいんだが。
まぁ、あの魔性の凶器に絞り殺されなかっただけでもよしとしよう。
しかし問題はその後だった。キュリエルはあの快感を味わおうと懐いてくるわ、魔法の効果が切れたサルモネラたちと、なぜか部屋にいたオルゾスたちにその現場を見られるわとてんやわんやの大騒ぎだった。
で。結局オレは肉の鎧のように抱きつくオルゾスたちによって、じゃれてくるキュリエルの魔の手から守られているわけである。
正直こんなバカなことやってる場合じゃないと思うんだが。
しかし事情が飲み込めてない彼女ら(キュリエル除く)には、こっちのほうが重要らしい。
まぁ、気づけば魔王反対派の将軍が、ベッドの上でオレと睦み合っていたのだから、その気持ちはわからいでもないが。
オレはやれやれと言った気分で、争う女たちに声をかける。
「おい、おまえら。こんなことしている場合じゃないだろ!?
さっきの地震のこととか調べないとダメだろうが!?」
「オマエこそ何を言っているんだ、ラグ!?
こんな状況だからこそ、お前を守らなければならないんじゃないかっ!?」
「・・・っ!!(コクコク)」
「動ける仲間のほとんどが倒れている状態で、どの口が調査に向かえと言うんだ!?
その・・・言ったろう!?おまえを殺すのは私なんだ!
だ、だからオマエに勝手に死なれては困るんだっ!」
・・・おいおい、なんだかんだ理由をつけて、思いっきり私情を肯定させられてますよ?
しかもサルモネラまで首を縦に同意してるし。
だがこの地震を調べないといけない。
オレの仲間以外は、どうにも信用できないからな。
さてどうしたものか・・・そう思っていると、キュリエルが思わぬ援護をしてくれた。
「ん〜・・・。そんなに気になるんだったら、私が調べてきてあげよっか?」
「「「え?」」」
「私もさっき感じた魔力が何なのか気になるし。
ま、もちろんタダでとは言わないけどね」
その言葉にオルゾスたちが思わず身構える。
たぶんオレの命とか要求されると思ったのだろう。
「あ、もしかして私がラグっちの命をよこせとか言うと思ってる?」
「「ら、『ラグっち』?」」
「ひどいなぁ〜、さっきからヒトを刺客扱いにして〜!
私は遊びに来ただけで、刺客とかそんなめんどくさいことしに来たわけじゃないんだよ?」