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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 244


今、思い出すとずいぶん遠いことのように思える。
何しろ自分の存在理由を知ってから、ろくに心休まるときもなく同胞である魔物たちと戦いを繰り広げていたのだから。
その言葉にわかったとばかりにうなずいたローは、ゆっくりと言葉をつむいだ。

「それなら話は早い。
 だったらアンタを作るためにいろいろ試行錯誤が行われていた・・・ってことも、簡単に想像できるだろ?」
「!?」

その言葉の意味にオレは大きく目を見開いた。
そうだ。何でそんな簡単なことに気づかなかった!?
オレという完成品が何の苦労もなく1発でできるわけがない。
オレを作るために犠牲になった生命が、いくつも存在するはずだ。
言わばオレの兄弟とも呼ぶべき存在たちが。
それじゃあ、ローは・・・?そこまで考えてオレはかぶりを振った。
まさか。ありえない。だってローはドラゴンで女じゃないか。
オレの試作品であるはずがない。
そんなオレの思考がただ漏れだったのだろう。
ローは苦笑しながら種明かしをした。

「いや、作り方に違いはあれど、オレは間違いなくアンタの兄弟だよ。
 ただしオレは見てのとおりの失敗作だがね」
「失敗作・・・???お前ほどの者が?」
オレは訝しんだ。少なくとも戦力的には大成功だ。
オレの言葉に、ローは質問で返して来た。
「性別はどうやって決まるか、知っているか?」
「ん・・・確か、X遺伝子とY遺伝子の組み合わせで決まるんだろう?」
「大雑把にはそれでも正解だが、我ら魔族にはもう少し複雑な事情がある。たとえば人間ども。奴らはXYで男が、XXで女が生まれる。エルフなどの亜人も基本的には同じだ。つまり単純に父親が子供にX遺伝子を与えるかY遺伝子を与えるかで子供の性別が決定される。
但し受胎後に何かあって、脳だけが肉体と逆の性別になったりすることもあるらしいがな。」
「??」
何が言いたいのかわからず、オレは首をひねった。
「何、簡単なことだ。お前もオレも、さまざまな魔物の遺伝子を集めて造られた。ここまでは同一だ。だが・・・・。
魔族と一口にいってもドラゴン族、グリフォン族、ミノタウロス族、淫魔族など、数え上げればきりがない。その上、ドラゴン族だけでも、炎の力に優れた西洋魔龍族、天候を操作する力を持つ東洋魔龍族などいくつかある。」
そこでローは一度言葉を止めた。
そして一息ついて続けた。
「これだけ種類がいろいろあれば、それこそいろいろな遺伝子構成があるわけだ。オレたちは造りだされる段階で、いろいろな魔族と生殖できるよう、遺伝子に特殊な読み替え機構も組み込まれている。それに、種族によっては、YYでオス、YXでメスになる種族もある。つまり母親からの遺伝で性別が決まる種族もいくつもある訳だ。なぜオレが失敗作かと言うと、性別決定遺伝子のシステムが混乱したんだよ。」
「????」
オレはますますわけがわからなくなる。
「つまり、お前は両性具有ってことか?」

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