モンスターハーレム 第2章 225
劇薬でも飲んだような激痛は去ったが、そのダメージが大きすぎて動くに動けない。
まったくなんてものを飲ませやがるんだ。
荒い呼吸を繰り返すだけになったオレに、ローは半ば破るように服を脱がせてケガの具合を診る。
激しい痛みを伴う強引な回復だったからか、少々傷跡が目立つものの、火傷はほぼすべて完治していた。
「よしよし。ちょうど体力も消耗したようだし、いい感じになったみたいだな♪」
「ま、待てッ!?貴様、ラグに何をするつもりだッ!?」
ケガの具合を診た後も服を脱がせ続けるローに、狭霧は顔を赤くしながら質問した。
それに対し、ローはいやらしい笑みを浮かべながらこう答える。
「な〜に野暮なこと言ってんでぇ?オレは勝者でコイツは敗者。
魔物の世界で敗者がどうなるかはわかってんだろぉ?
食うに決まってらぁ。
・・・ま、今回はホントに食うんじゃなくて、ナニしておいしくいただくわけだけどな♪」
「「・・・・・・ッ!!」」
「ぅろおおぉぉッ!?」
その一言に対する女の嫉妬はものすごかった。
ただでさえライバルが多くて不器用な性格の2人は、復活したサークとともに同時攻撃を仕掛けたのである。
いくら異名持ちとは言え、オレとの戦いで消耗した今のローに勝ち目があるのか?
しかしそんなことはまったくの杞憂だった。
なぜなら彼女は『竜人姫』。
数々の異名の中で、姫と呼ばれるほどの称号を持っている女なのだから。
ローは3人で攻めてきたことに対し、両手を力の限り握り締める。
それによって両の手の皮が裂け、爪が指にめり込んで出血する。
そして振り向きざま、流れ出た鮮血をサークとオルゾスに向かって投げつけた!
ビッ!ビシャッ!
「うッ!?」
「がぁッ・・・!?」
ローの血は2人の目に命中。
思わぬ目潰しを食らった2人は、反射的に動きを止めて目を押さえる。
そのわずかな隙を狙ってローは突進。
目潰しを食らった2人の頭をつかんでそのまま狭霧へ突っ込んでいく。
そしてそのまま捕まえた2人を盾と武器にして、狭霧にたたきつけた。
ドゴオッ!
「「「・・・ッ!?」」」
声にならない3人の悲鳴。しかしローのターンはこれで終わったわけではなかった。
そのまま何度も何度も、3人が動かなくなるまでオルゾスとサークは狭霧にたたきつけられた。
事が終わるまでわずか数分の、圧倒的な出来事であった。