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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 224

しかしそんな心の訴えがこのバカに届くはずもない。
何よりコイツはケンカ以外の目的があってオレのところまでやってきたのだ。
しかしこれではしばらくは何もできそうにない。
回復能力のある狭霧でもすぐに治せないとなると、治療できる見込みのあるサルスベリの元に運んでもらうしかないか?

「ん〜・・・。さすがにそんな状態でモノ頼むのは無理があるか。
 仕方ねえ。それじゃオレ様とっておきの回復アイテムをくれてやるよ。
 ありがたく味わえよ?」
「「「ッ!?」」」

オレがそんなことを考えていると。偶然同じことを考えていたらしいローが、ケガ人のオレに手を伸ばしてきた。
その行動にオルゾスたちは敏感に反応する。
このバカ、さっきのオレとコイツらとのやり取りを見てなかったのか?
このままではまた一触即発の事態になってしまう。
そう思ったその時。ローはけらけらと笑いながら、こう言い放った。

「安心しな。別にひどいことなんざしやしないよ。
 不死身が売りのロー様の、このドラゴンの血を飲ませてやるだけさ」

ローはそう言うと、左手でオレのあごをつかんで上を向けさせる。
そしてオレが何か言うより先に、その頭上に持ってきた右手を強く握り締めた。
そこからこぼれ落ちるは赤い滴り。
霊薬や魔術の原料として名高いドラゴンの鮮血がオレの口に向かってぽたりぽたりと落ちていった。

(何のつもりだ!?)

オレがそう思ったその時。

ドクンッ!

「!?」

心臓が大きく脈打ち、全身が動いてもいないのに激痛に襲われた。
その痛みに耐えかねて、オレは悲鳴をあげることも忘れてその場で悶えだす。
だが痛みは止まらない。痛みは激しさを増し、もはや熱となってオレの身体を苦しめていた。
みなが心配し、オレがもがき苦しむ中、ローは笑いを浮かべたまま、血を飲ませた理由を話した。

「ちょっと痛いだろうが安心しな。
 さっき飲ませた血の効果で、身体が急激に回復してんのさ」

これのどこが『ちょっと』だ!
このままじゃショック死するか、焼け死ぬかしちまうだろうがッ!?
・・・と。聞こえていたならそう文句の1つも張り上げていただろう。
しかしそれどころではないオレは、身体が治っていく嫌な音を聞きながら、その場でじたばたと悶え続けた。
一体どれくらいそうしていただろう。
短時間とも永遠とも思える時間が過ぎ、完全回復したオレは陸に打ち上げられた魚のようにぐったりとしていた。

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