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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 218

勘違いしているヤツが多いが、防具は決して殺傷能力がないわけではない。
矢を弾き、剣を跳ね返す盾も、使い方次第で恐るべき撲殺兵器に姿を変えるのだ。
そしてそれは結界にも同じことが言える。
力の塊である結界はあらゆるものの侵入を拒み、触れるものすべてにダメージを与える。
今回はその性質を利用し、結界そのものを武器としたのだ。
おまけにこれはオレの力は使ってないから、シュアナが結界を解除しない限り、オレはずっとこの武器を使い続けることができる。
貧乏くじを引いた彼女としては一刻も早く結界を解除したいところだろうが、解除すれば自分はおろか大事なミミまで危険にさらしてしまう。
オレの頼みを聞かなかったこの女への報復と、ローという強敵の撃破を同時に行える、一石二鳥の作戦だった。

「ラグッ!?」
「ラグっ!おまえ、なんてことを!?」
「このバカ!今助けてやるから、ちょっと待ってろ!」

駆けつけた仲間たちから、驚きと温かい言葉が次々と投げかけられる。
そしてすぐさま助けようと、その手を伸ばす・・・が。

「バ・・・カ野郎ッ!手出し・・・すん、なっ!?」

オレは出そうになる悲鳴を必死に飲み下しながら、差し出された救いの手を制する。
正直、その手はとってもありがたい。
今すぐにでもその手を取って、ここから逃げ出したいくらいだ。
だが。うかつに手を出したらどうなるのか、この半端ない激痛を味わっているものとして、よくわかっているオレはその手を受け取るわけには行かなかった。
それに。今のオレはローの下敷きになる形で結界に感電している。
オレが助かるということは、ローも助かってしまうことに他ならないのだ。
だがオレはこのとき忘れていた。
相手は水増しした魔力で攻撃してなお、戦うことのできる化け物なのだということを。
そんな化け物が、いつまでもこんな勝負に付き合うはずがなかった。

「く・・・うぅッ!」
「ガアアァァァッ!?」

シュアナが苦しげにうめく中、ローは結界から何とか逃れようとその身体を起こす。
この激痛の中、よく動けるものだと驚きつつ、すぐさまオレもローの脱出を妨害した。
起こした上半身に手を伸ばし、結界にべったり張り付いているオレのほうに引き寄せたのだ。
さらに逃がすまいと両手両足でしっかりホールド。
ローは離せと言わんばかりにオレの腕の中で暴れて、悲鳴をあげる。
針の山で電撃を流されるような、さらなる激痛の中、命がけの耐久レースはついに終盤を迎えた。

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