モンスターハーレム 第2章 209
オレの言葉に目だけを動かして繭の中身を確認するシュアナ。
そしてオレの言葉が真実だとわかったとき、彼女は大慌てでミミの繭に飛びついた。
「みっ・・・ミミ様っ!!ご無事でございますかっ!?
ししし、しっかりしてくださいっ!?
今、このシュアナめがお救いいたしますのでぇッ!?」
「・・・何、コレ?」
「「さ、さぁ・・・?(汗)」」
そのあわてように、オレを含めた周囲は呆然としていた。
どうして兵士っぽい女が、何の戦闘力もなかったミミを様付けで呼んでるんだ?
つーか、これが『氷帝』とうたわれるほどクールで冷酷な女なのか?
みなが呆然とする中、別人のように慌てふためくシュアナは、必死にミミを解放するのでした。まる。
――――
「ん・・・ほえ?」
「ミミ様っ!?お気づきになられましたか、ミミさまぁっ!?」
「ふえぇっ!?な、何ですっ!?一体何事ですか、これはぁッ!?」
それから5分後。ミミはシュアナの必死の介抱(?)によって目を覚ました。
正直オレたちも何が何だかよくわからないのだが、彼女の介抱の邪魔をすると冗談抜きに本気で殺されそうなので、黙って彼女を見守り続けていた。
「ミミ様っ!私が誰だかわかりますかっ!?
シュアナですっ!あなたの下僕にさせていただいたシュアナですっ!
お身体のほうは大丈夫ですか、おケガはございませんか、ご無事でございましたかぁッ!?」
「しゅ、シュアナ様っ!?な、なんであなたがここにっ!?」
「・・・っ!?」
ミミが驚いて彼女の名前を言った瞬間。
シュアナは雷に打たれたかのよーな、そんなショッキングな表情で動きを止めた。
そして次の瞬間、泣きそうな顔になって・・・否、ボロボロと涙をこぼし始める。
・・・何なんだ、一体。
「そ、そんな・・・。『シュアナ様』だなんてそんな他人行儀な・・・っ。
もう、シュアナはいらないというのですか・・・っ!?」
「あ・・・!?い、いや、そーゆーことではなくてっ!?」
「ミミ様に必要とされなければ、私なんて・・・私なんてぇッ!?」
次の瞬間、シュアナは右手から氷の爪を出し、何のためらいもなく自分の首を刎ねようとした。
わけもわからず傍観していたオレたちだったが、さすがにこれは捨て置けない。