モンスターハーレム 第2章 205
「いへ〜。わらしの種族は繭の中で魔力を練って、身体を再構成させるのれふが〜。
私、どーにも魔力を練るのが下手れして・・・。
おまけにあなたたちが急に大量の魔力と一緒に子種を仕込もうとするもんですから、身体の調子がおかしなことになっているみたいなんですよ・・・ふあぁ」
とんでもないことを何あくびしながら話しているかな、この女は!?
オレはフォリンの言葉に肝を冷やしながら、あわてて彼女の安否を気遣った。
「お・・・おいおい、それって大丈夫なのか!?」
「あ〜・・・ん〜・・・。たぶん」
「たぶんじゃダメだろうがっ!?」
自分の命に関わるんだから、もうちょっと気にしろよっ!?
「とっ、とにかく!オレと一緒に来い!
サルスベリって女に診察させてやるからっ!」
「・・・身体もできていない幼虫(子供)の私を犯しておいて、そんなこと言われるとは思ってもいませんでしたよぉ。
おもしろい人ですねぇ・・・あふ。それよりここから逃げたほーがいいと思いますよぉ?
だって豊潤な魔力を大量投与されたのと、幼虫の身体で子作りしちゃったせいで、羽化のシステムが暴走したみたいですからぁ」
「・・・え?」
どういうことだ。そう聞くより先にフォリンの身体から白い煙が出た。
いや、よく見ると煙ではなく、白く輝く糸があふれ出ているのだ。
「早くここから出たほーがいいですよぉ?
このままだとあなたたちも私の羽化に巻き込まれてどーなることか」
「ば、バカ野郎ッ!自分のせいで死ぬかもしれないとわかっていて、放っておけるかッ!?」
他人事のように言うフォリンに、オレは思わず怒鳴ってしまった。
確かにオレは敵には容赦ないところがある。
しかしそれは命を賭けた生き残りに勝ったものとしての当然の権利であって、それ以外のものを殺傷する趣味なんてないんだ。
まして一度でも抱いた女を見捨てるなんてできるもんか。
オレの言葉に、フォリンはきょとんと面食らった顔をしていたが。
やがて大爆笑しながらこう言った。
「あははは・・・っ。あ、あなた、おもしろい人ですねぇ。
気に入りましたっ」
彼女はそう言うと、オレの胸に飛び込んでその唇を奪う。
その意図を理解できず、思考停止に陥った隙に、フォリンはオレの胸に手を当ててトン、と押し出した。