PiPi's World 投稿小説

モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 19
 21
の最後へ

モンスターハーレム 第2章 21

『凶将』と呼ばれた女は今まで得た知識と経験をフル回転させてここから離れようとするテスの意図を探る。
その思考こそが、自らを破滅に追いやる罠への入り口だとも知らずに。

パラ・・・

その時、サークの頭にわずかな砂ぼこりが頭にかかる。
それに対し、サークは何か違和感のようなものを感じた。
古くから存在するこの『愚者の迷宮』ではホコリが立つのはよくあることだ。
まして今は戦闘中。ホコリが立たない訳がない・・・のだが。

(何だ・・・?何でたかがホコリがこんなにも気になる?
 ただ頭にかかっただけだと言うのに・・・)

自分の経験と知識で培われた魔物の本能が叫んでいる。
何かに気づけと最大音量で。
サークはそれに従い、何気なく頭にかかった砂ぼこりに手を伸ばす。
自分から仕掛けておいて、敵に目もくれずに逃げようとするテス。
頭にかかった砂ぼこり。
あたり一面を覆う石の槍。
その時、転がったバラバラのヒントのピースが1つの可能性を導き出した。

「まさかっ!?そんなことが!?」

冗談みたいな話に、サークは思わず声を漏らす。
だがもしそれが本当なら自分たちは非常に危険な状況に立たされていることになる。
サークは半ばムダと知りつつも、仲間たちに向かって大声を張り上げた。

「聞こえるか、おまえたち!?今すぐ天井に登るんだ!!
 動けるものだけでいい!!動けないものは見捨ててかまわんッ!
 一刻も早く天井に近いところに向かえッ!!」

それだけ言うと、サークは石の槍を使って一目散に天井に向かって駆け上る。

(くそっ!!テスめ、アイツに『こんな能力』が合ったとは・・・!!)

その頃。大広間から一足先に脱出したテスは、壁に手を当てて中の状況を調べていた。

「・・・さすがだな。もう私の意図に気がついたか。
 だが遅い。その石の槍はそう簡単に登れないように計算して放っておいたのだからな」

テスはそう言うと、ため息を1つ吐いて重ねた両手を壁に当てる。

「・・・КАМЕНЬ・・・」

ボウッ・・・!

テスの言葉に反応して両手と壁が輝きだす。
言葉がつむがれるたびに光は広がっていき、やがて不可思議な図形を描き出す。

「ИЗМЕНИТЬ・・・」

ゴゴゴ・・・!

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す