PiPi's World 投稿小説

モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 18
 20
の最後へ

モンスターハーレム 第2章 20

将軍1人1人が「お山の大将」となっているのである。
そして今まで推測でしかわからなかった2人の強さの順列が1対複数の変則的な戦いの中で明らかになろうとしていた。

ダッ!

先に動いたのはサーク。
凶将の異名にふさわしい、禍々しいほど大きな剣斧でテスに斬りかかる。
それに合わせ、兵士たちの群れも再び一斉攻撃を仕掛けてきた。

「・・・・・・」

迫り来る猛攻に対し、テスはそれぞれを一瞥した後、両手を大きく振りかざす。

「・・・はッ!!」

テスの短い叫びとともに両手が地面に振り下ろされ、テスを中心に無数の石の槍が前後左右8方位に向かって飛び出す!
オレ(ラグ)との戦いで見せた、広範囲攻撃だ!
しかしそれを知らないのか、避けられないと悟ったのか。
サークも兵士も避ける様子を見せないどころか、逆に石の槍に向かって突っ込んでいく!

ドシュッ!ドシュシュシュシュ・・・ッ!!
オオォォオオォォ・・・ッ!!

激しい怒号と悲鳴が上がる。
将軍であるサークは石の槍の嵐をものともせず、槍を破壊しながら前進している。
だがさすがに多勢に無勢でその前進速度は鈍っているようだ。
一方の兵士たちの群れは悲惨なことになっていた。
石の槍を破壊する力も回避する技量もない兵士たちは容赦なく石の槍の餌食となり、あるものは腹を、またあるものは腕や足を貫かれて倒れていく。
しかしサークに鍛えられただけの事はあるらしく、誰一人として怯えて逃げようとするものはいない。
死を恐れずに前進するその様子は、まるでゾンビの行進のようだった。

「・・・ふっ!!」

後退を知らぬサークの凶刃が一番乗りで石の槍の嵐を突破した。
しかしそこにはテスの姿はない。
出会いがしらに襲ってくると思っていたサークはすばやく思考を切り替え、周囲の気配を探る。

(上・・・下・・・違う、いない・・・。
 石の槍を障害物にして襲うつもりか・・・?
 それとも弱っている兵士狙いか・・・?)

その時、サークの研ぎ澄まされた五感が、テスの気配を捉えた。
彼女は確かに石の林と化した槍の中に潜んでいた。だが・・・。

(これは・・・私たちから逃げている?
 私だけでなく、弱っているはずの兵士たちからも?
 なぜ・・・?)

自分から逃げるのはわかる。
同等の実力者であろう自分と、兵士たちを同時に相手するのは圧倒的不利だから。
ではなぜ、兵士たちをたたこうとしない?
絶対的なハンデをなくす、絶好の機会だと言うのに?
目的は私たちを倒すことではなく、弱体化、もしくは時間稼ぎだったのか?

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す