モンスターハーレム 第2章 3
遊ぶか殺すか、それ以外の答えは許さないとばかりにテスは質問を繰り返す。
キュリエルは以前とは明らかに何かが違う彼女を興味深そうに見ていたが、埒が明かないと思ったのか、質問に答えた。
「遊びよ、あ・そ・び。
サークちゃんたら、テスちゃんがやられちゃったから機嫌悪くしちゃったのよ。
だから死んじゃう前に遊ばせてもらおうかなーって♪」
相手の神経を逆なでするかのような発言に一瞬気温が下がったが、すぐに張り詰めた空気が薄くなっていく。
テスは何も言わずに道を譲る。
「ありがと♪死にたがりのテスちゃんをここまで変えるだなんて、今回はたっぷりと楽しめそうね?」
「・・・ああ、たっぷり楽しんで来い。
おまえは好色で淫乱だからな。きっと気に入るぞ?」
テスはそれだけ言うと、通路の壁に消えていった。
おそらく反対派の本拠地へ向かったのだろうとキュリエルは悟る。
今頃反対派ではサークがラグとその取り巻きを抹殺するべく、準備を整えているだろうから。
「さて、それじゃ私も急がなくっちゃね〜♪」
早く行かなければ、楽しむ時間がどんどん減ってしまう。
キュリエルは鼻歌を歌いながら、再びオレの待つサルスベリの研究室に向かって歩き始めた。
――――
そして再び舞台はサルスベリの研究室に戻る。
今、こちらではちょっとした騒ぎになっていた。
「サルスベリ様!何、抜け駆け・・・じゃない、半病人のラグ様にせまっているんですかっ!?」
「何を言っている。私たちは房中術という技で、コイツを癒してやろうとしただけだぞ?」
「交尾してれば回復するなんて都合のいいもの、どこの世界にありますかっ!?」
・・・あー。どうしたもんかな。
まさか女に目覚めた魔物が増えると、こうも面倒くさい事態になるとは思いもしなかった。
オレはミミの頭をなでくりながら、目の前でぎゃあぎゃあわめきあう女たちをどうやって止めるものか、悩んでいた。
オレがサルスベリたちとじゃれあいながら今後のことについて話していたところに、他の魔物を看護していたリザたちが乱入。
で、乳繰り合っているオレたちを見て逆上したリザたちがサルスベリたちに文句を言い出したのである。
サルスベリのような気の強い連中は、すっとぼけたことを言っているが、ミミのような気の弱い連中はそうも行かない。
オレの後ろやサルスベリたちの後ろ、ベッドの下など思い思いのところに隠れてプルプルと震えていた。