モンスターハーレム 第2章 196
抱き心地も最高だ。オレは思わずこの幸福感に浸ろうとしてしまうが。
「それじゃ、せっかくですからフォリンちゃんに会いに行きましょう〜」
空気の読めないミルフェが、そんな提案を持ちかけてきた。
いい雰囲気だったが、さすがに彼女を無視することできず、オレは名残惜しくもミミから離れざるを得なかった。
残念。この取り返しは今晩たっぷりミミを愛でることで解消しよう。
最近ご無沙汰だし。
それにソウルイーター他、エネルギー生命体の服の素を作る女ってのにも興味あるしな。
「気をつけてください〜。あんまり強く引っ張りすぎると糸が切れてしまいますので〜」
ミルフェは羽根で空を飛びながら、地を這うオレらに注意する。
・・・やっぱり空飛べるってのはいいよな。
特にこういうときはうらやましい。オレはそんなことを思いながら適当なところから上り始めた。
服を作るのに使われるだけあって肌触りがよく、心地よい。
ミルフェの注意や案内もあって、オレたちは山登り感覚で何の問題もなく頂上まで来ることができた。
そしてオレたちの目の前には、こんもりと盛り上がっている糸の山が。
おそらくあれがフォリンの眠る繭なのだろう。
そこにちょうどいいタイミングでミルフェが説明してくれた。
「ホントはちゃんとした繭を作って眠ってたんですけど〜。
フォリンちゃん、いつまで経っても出てこないものですから、その安否を確かめるために破っちゃったんです〜」
「ずいぶん荒っぽいことするな。それで?その女はどうしてたんだ?」
「幼虫のまま、ぐっすりと眠ってました〜。
様子を見に来た私たちは彼女を起こそうとしましたが、全然起きる気配もなく〜。
かれこれもう半年になります〜」
「は、半年!?」
「そ、そんなに眠ってて大丈夫なんですか?栄養とかは!?」
信じられない熟睡っぷりに、オレらは驚きの声を上げる。
いくらなんでも寝すぎだろ!?この世の終わりまで寝るつもりかっ!?
「とりあえず、大丈夫みたいです〜。
私にもよくわからないんですけど、冬眠みたいにエネルギー消費を最小限に抑えているらしいです〜」
「そ、そうなのか・・・?」
「そーゆー問題じゃないような気も・・・(汗)」
とりあえず生きているとわかったので安堵しつつ、別の心配をするオレたち。
しかし材料を取りに何度も足を運んでいるミルフェは落ち着いた様子で、再び爆弾発言を投下した。
「大丈夫ですよぉ〜。
最近はおなかがすくと、その辺の木にかじりついてエネルギー補給しているらしいですし〜」