モンスターハーレム 第2章 195
とにかくオレたちはソウルイーターの服の材料を取りに向かう。
目的の場所はミルフェの家から小1時間ほど歩いたところにある、うっそうとした森の中にあった。
「こ、ここが・・・目的の場所か・・・?」
「はい〜。ここがフォリンちゃんの住処です〜」
そこには植物で生い茂った今までの光景とはまったく異なるものが広がっていた。
かろうじて木漏れ日の差す深い森。そこに生える何本もの木々に白いベールのようなものが絡み付いている。
ベールの伸びている先に視線を移すと、そこには雲のように空中に浮かぶ巨大な繭が。
さすがに中身こそ見えないが、おそらくあの中にいるのがフォリンとか言う女がいるんだろう。
オレが目の前の光景に気を取られていると、背後から遅れてやってきたミミが少し息を切らせながらやってきた。
「ら、ラグ様・・・ひどいですよぉ。こんなところで迷子になったら、どうしてくれるんですか〜?」
「お・・・おう、すまん。大丈夫か?」
「大丈夫じゃないです〜!」
「だから家で待ってていいと言いましたのに〜・・・」
涙目になって恨みをこぼすミミに、オレは彼女の機嫌を直すべく頭をなで。
ミルフェは少々呆れたようにつぶやいた。
最初こそ問題なかったものの、進むにつれどんどん多くなっていく植物の妨害に、オレたちは迷子になるまいと必死になってミルフェの後をついていたのだ。
彼女は羽根を使ってうっそうとした森の中にわずかに開いた空間を道にして楽に移動していたが、翼のないオレたちはそうは行かない。
行く手を防ぐ植物たちに悪戦苦闘しながら、お互いの声だけを頼りにここまで来たのだ。
ミルフェ。できればこうなる前に説明してくれ。
・・・しかしまぁ、こんな神秘的な光景を見れたんだから、苦労した甲斐はそれなりにあったと言えるだろう。
おまけにこれなら目的の服を作る材料には困らない。
「じゃあさっそくいただくモンをいただこうか」
「はい〜」
「え?も、もう帰るんですか・・・?!」
オレの言葉に、本気と書いてマジですかと言わんばかりの表情で驚くミミ。
安心しろミミ。いくら急いでいると言え、またあのジャングルのような茂みの中にすぐ帰るつもりはない。
「安心しろ。今のおまえの体力じゃ帰り道に遭難しかねないからな。
少し休憩してから帰るとするさ」
「ら、ラグ様・・・!ありがとうございますぅっ!」
オレの建前にミミはよほどうれしかったらしく、涙目になって抱きついた。
ちょっと罪悪感を感じるが、これだけ喜んでもらえればOKだろう。
おお、成長したミミのやわらかな胸が押し付けられて気持ちいい。