モンスターハーレム 第2章 192
「・・・で?禁忌の者たちがどこにいるか、目星はついたのか?」
「・・・そんなもの、わかっていたらこんなところにいやしない」
シュアナの言葉に、オルゾスは苦々しげにつぶやいた。
しかしだからと言ってこれ以上、彼女らを暴れさせるわけには行かない。
サークはシュアナの『ミミ様』発言を気に止めながら、口を開いた。
「ならこれ以上の狼藉はもうやめろ。
ここの住人たちがラグのオスの魅力に参っているなら、すぐに人だかりなり何なりの騒ぎになっているはずだからな」
「・・・それが嫌だから、我々はこうしてるんじゃないか・・・!(ボソリ)」
「ん?何か言ったか?」
「・・・っ、何でもないっ!!」
オルゾスと狭霧はあふれ出る不満を隠しきれず、怒鳴るようにそう打ち切った。
どうやら彼女らも彼女らでいろいろ思うところがあるらしい。
まぁ、ここの連中はオレができるまで女の幸せも知らずに生きてきたんだ。
それが一気に噴出すれば問題の1つや2つ起こるものなのかもしれない。
「とにかく!これからはおまえらがよけいな騒ぎを起こさないよう、私たちも同行させてもらう。
幸い、私たちの目的もラグだったからな」
「な、何だとっ!?」
「・・・いいだろう。先に騒ぎを起こしたのはこちらだからな」
「さ、狭霧っ!?」
恋敵が同行すると聞いて驚いたオルゾスは、それを許諾した狭霧の言葉でもう一度驚いた。
「狭霧っ!おまえ、どういうつもりだ!?」
「先に問題を起こしたのはこちらだ。
これでその責を追えるというなら安いものだろう。
それに・・・抜け駆けを防ぐなら、このほうが都合がいい」
「・・・、勝手にしろっ」
狭霧の最後の言葉に、オルゾスはしぶしぶといった様子で承諾してくれた。
確かにこれほど異名持ちがそろっていれば、ここの住人たちはおかしなことをしないだろうし、何より恋敵であろう連中の動きを牽制できる。
腹の中にすでにオレの子供を宿しているとは言え、これ以上オレの女を増やすことはオルゾスとしてもちょっと避けたかった。
こうしてオレの知らないところで、これまた厄介なグループがオレを求めて動き出したのであった。
――――
「あらあら、まあまあ・・・。ちょっと会えない間にそんなことがあったのね・・・」
その頃。どうやら顔見知りらしいミルフェに、ミミが今日までのことを懇切丁寧に説明していた。
しかし、今まで争いとは無縁だった自分の知り合いが、こんなにハードな数日を送ってきたというのにえらい落ち着きようだな。
正直、こんなあっさり受け入れられるとは思わんかった。
オレが自分の気持ちを口にすると、2人はコロコロと笑ってこう言った。