PiPi's World 投稿小説

モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 189
 191
の最後へ

モンスターハーレム 第2章 191

反対派なる派閥を作り、強い兵士を育てるために同志をも犠牲にするような女だが、彼女は何の目的もなく破壊や虐殺を行うような女ではない。
むしろその逆で、サークは目的のためならどんな手段や犠牲もいとわない女なのだ。
事実反対派を立ち上げ、厳しい淘汰を行ったのも、すべては人造の魔王であるオレに対抗する力を手に入れるためだ。
そのやり方は極端で決してほめられるようなものではないが、それほどに純粋でまっすぐな女なのである。
そんなヤツに迫られてはどんな豪傑だって一瞬言葉に詰まる。
何より、彼女らほどの実力者がここの住人たちに出し抜かれて、男のケツを追っかけてるなんてそう簡単に言えるもんじゃない。
しかしここで黙っていては、また先ほどの空気に逆戻りだ。
オルゾスたちはやむなく、暴れていたわけを話すことにした。

「・・・ラグがここの連中に連れて行かれた」
「ラグが?ここの連中に?」
「・・・ああ」

言い辛そうにしている2人の言葉にサークは信じられないとばかりに目をしばたいた。
彼女らほどの実力者が、戦闘能力で劣るここの連中に出し抜かれるとは思っても見なかったのだ。
恐るべしは、子供を残そうとする女の情念か。
そこにすかさず入るのはシュアナの嘲笑。

「ハッ、所詮は堕落した連中だな。
 禁忌の者がさらわれたくらいで、ここまで大騒ぎするとは」
「う、うるさいっ!あ、あの女好きの大バカが、またよけいなトラブルを起こすのではないかと心配になっただけだっ!
 魔兎族のミミだってお目付け役としてついているしなっ!」

オルゾスの照れ隠しの反論。ローはそれをにやにやと下世話な笑みを浮かべ。
サークはオレの毒牙にかかった女の変わりように、複雑な心境になった。
しかしそんな中、1人だけまったく違う反応を示したものがいた。
シュアナだ。彼女はミミの名前を聞くなり、目の色を変えてオルゾスに詰め寄った。

「何だとっ!?ミミ『様』があの男と一緒なのかっ!?」
「お、おおっ!?」
「どうなんだ!?答えろっ!?」

『氷帝』とうたわれるほどの女傑が、血相を変えてオルゾスに詰め寄る。
みんなその変貌ぶりに驚きと動揺を隠し切れない。
そんな中、唯一ここにいるメンバーのすごさを理解していない狭霧がぼそりとつぶやいた。

「・・・『ミミ様』?」
「!!」

その一言に、シュアナの顔に明らかに『しまった』という表情が浮かんだ。
彼女はすぐに平静の仮面を着け直すと、1回深呼吸をして改めて質問した。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す