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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 189

・・・ほとんど山賊か強盗のノリである。
しかしオレがここの住人に連れ去られたところを見ていた2人にとって、この妖林区の住人すべてが容疑者であり、敵だった。
敵に容赦などいらないし、疑わしき者は罰する。
そんな思考回路が彼女たちを山賊まがいの行動に駆り立てていた。
何の罪もない妖林区の魔物たちは、すっかり怯え、もはや蹂躙されるしかないのかとあきらめかけていたその時。
さらなる災厄がオレを求めて騒がしい妖林区に入ってきたのだった。

「・・・?」
「何だ何だぁ?ひさしぶりに内区に来てみれば、ずいぶんと騒がしいじゃねえか」
「おとなしくしてください、ロー様。ここにいる連中はあなたのようにしぶとくない」

それはオレを追ってやってきた、サーク・シュアナ・ローの3人であった。
彼女らは自分たちの知る妖林区とは違う様子に三者三様の反応を見せる。
シュアナはいぶかしみ、ローは楽しそうに笑い。
サークはそんなローの様子を警戒していた。

「あの禁忌め、この妖林区を荒らしに来たのか?」
「ほう!そいつはなかなかおもしれえな!オレもまぜてくれっかな!?」
「いちいち興奮しないでください、ロー様。
 確かにあの男は好戦的な面もありますが、何の意味もなく破壊行為に出るような男ではありません。
 きっと別の誰かが暴れているのでしょう」

サークは子供のようにはしゃぐローにため息をつきながら説明した。
しばらく闘争の日々を送っていたから少しは落ち着いたのかと思えば、その闘争心は少しも揺らぐことはなかったらしい。
いったいこの女は何を考えている?サークはそう思った。
彼女にとってこのローという女は、冷酷・冷徹・冷血の3拍子で『氷帝』とあだ名されるようになった、シュアナとはまた違った意味で厄介な相手だ。
シュアナの場合は何を考えているか、わからないところはあるが。
このローという女の場合は、何かをたくらんでいるのがわかりやすいすぎて扱いづらい。
実際ここまでの道中に、サークは2人に探りを入れてみたが、シュアナは何も語らなかった。
ローは『こないだ生まれた魔王ってヤツに会いに来たんだ』ということしか教えてくれず、会ってどうするのか聞いてみても、『それは会ってからのお楽しみ♪』としか答えてくれなかった。
バーサーカーであるサークの師匠だけに、この女もかなり好戦的な部分もある。
どちらにしろ2人とも油断のならない相手であった。
そこに来てこの妖林区の大騒ぎ・・・まったくあの男は何をやっているのか。
サークは頭が痛くなる思いであった。
だが頭を抱えるのはまだ早い。この妖林区を騒がす原因が3人のすぐそばにやってきていたのだから。

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