モンスターハーレム 第2章 186
「ふはは、簡単なことよ。粉々に砕くか、全身の血を吸いつくしてやるか、巨石を落とされたように圧殺してやるか・・・それとも、これで頭に穴をあけてやるか・・・・」
シャキン!
オレは両拳を握りしめると、親指以外の4本の指の付け根から、円錐形の鋼鉄の爪をくり出した。サークの頭をえぐったあれだ。
「おお!」
「ひゃっ!」
「はぁ〜」
魔物娘たちのため息や驚きの声が聞こえる。
「まあ他にも色々なやり方があるな!!」
そういうとオレはニヤリと笑った。
その表情を見て、ようやく魔物娘たちの表情が明るくなる。
「そ、そうですよね!ラグ様なら、本気になればどんな相手でもぶっ倒せますよね!!」
「ミミ、なかなかいいことを言うじゃねえか!」
うまいタイミングでミミが返してくれた。
「がんばってください!」
「期待してます!!」
「ラグ様ー♪」
「あとでいーっぱい、御種くださいましね!とーっても気持ち良くして差し上げますから!」
希望が見えると、魔物娘たちの期待感で雰囲気が一気に明るくなる。ついでに欲情してほほを赤らめたり、秘所に手が伸びてる奴までいる。
流石に、本当に殺すわけにもいかないが、「徹底的にぶちのめす宣言」で、とりあえず皆を安心させられたようだ。
それに・・・・最近嫉妬に狂うやら何やら、オレを殴ったりぶっ飛ばしたりする奴が多すぎる。
魔王の威容と威厳を示すためにも、ここはあいつらにやられ役になってもらう。
魔物娘たちが見ている前で、オレは眼を閉じ、腹に力を籠め、脚をふんばり、両拳を構えた。
そして深呼吸する。
周囲の緑の木々から力を得たように、オレの心身に力がみなぎり始めた。
しかしこれはあくまでポーズ。
オルゾスをぶちのめしていいようにもてあそぶのは、想像するだけでも新鮮で興奮ものだ。
だがアイツはアイツでいいところはあるし、今はオレのガキを孕んでいる。
仲間同士で戦うのは避けたほうが賢明だろう。
今はコイツらを落ち着かせ、服職人のところへ案内させるほうがいい。
オレはもてはやしてくれる魔物娘たちを落ち着かせると、さっそく自分の考えを提案する。
「ま、いつでも倒せるヤツを気にしててもしょうがない。
アイツのことは後回しにして、今はこちらの目的を果たさせてもらおうか」
「目的?」
「私たちを抱いてくださるんですか?」
その言葉に魔物娘たちは色めき立つ。
おいおい。そりゃこんな美人を抱けるのはうれしいが、別にオレはそんなに性欲持て余しているわけじゃねえんだから。
こらそこ。勝手に勘違いした上に服を脱ぎだすんじゃない!
オレはあきれながらも彼女らの予想を否定する。
「あー、それもいいんだけどな。
今は服を作ってもらいにここに来たんだ。ミミのヤツが腕のいい職人を知ってるとかでな」
その言葉に魔物娘たちはまた騒ぎ出す。