モンスターハーレム 第2章 176
おそらく相手はジャイアントスパイダーやキャタピラー(巨大イモムシ)とかの糸を生成できるヤツ。
場合によっては、糸だけもらってそれを服を作る職人に渡すこともあるかもしれない。
さすがにこの場合は相手の種族を予測することはできないが。
オレが答える権利を奪われ、ちょっとむくれていると、先導しているミミがどことなくうれしそうな様子で振り返った。
「これから行くコミューンはミミの故郷でもあるんです。
ふふっ。私、いきなりラグ様のモノになって帰れなくなっちゃったから、みんな心配してただろうなぁ♪」
そう言いながらもミミの口調は明るい。
久しぶりの帰郷に喜んでいるのか、それとも成長した身体を見せ付けられることを喜んでいるのか。
心配をかけた割には無邪気でのんきな光景であった。
――――
「お待たせしましたー。ここがミミのコミューンの入り口です」
それから10分後。4人はようやくミミの住んでいたコミューンにたどり着いた。
例によって入り口らしいものはなく、そこには壁があるだけだ。
「じゃあさっそく開けてくれ。時間が惜しい」
「は〜い」
ここがそういう場所であることをすでに理解しているオレと狭霧はすでに驚く様子もなく、隠し扉の開錠を頼む。
ミミは明るく返事をすると、光るキノコの入った鉢やら壁のレンガを何やらいじくる。
ガコォン・・・ッ
するとまもなく何かが作動した音がして壁がゆっくりと2つに割れていく。
「おおっ・・・!?」
「し、信じられん・・・!ここは地下だぞ!?」
そこから見えた景色に、平坦を保っていたオレと狭霧は大きく驚く。
当然だ。だってここは光も差さぬ地下だというのに、目の前には広大な森が広がっていたのだから。
オレもこの迷宮で空き部屋を使ったり、サルスベリの研究室にお邪魔したこともあるが、ここはそれと比較にならないくらい大きい。
カグラの謁見の間以上の大きさなんじゃないだろうか。
しかも天井はさんさんと輝き、大きな樹木が所狭しと並んでいるのだから驚きだ。
これが地下にある光景だとは思えない。
「えへへっ、驚きましたか?」
オレと狭霧の驚きように、ミミは自慢げに言ってきた。
オルゾスも声にこそ出さないが、実に楽しそうな様子でこちらを見ている。