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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 172

何も知らない狭霧の一言に、怒り心頭のオルゾスの怒りもミミのパニックもほんの少しだけ和らいだ。
そうそう、少し落ち着け。そんなに怒ってると胎教に悪いぞ?
胸の中でそんなセリフを言いながら、黙って事の成り行きを見守るオレ。
何か情けないが命は惜しい。

「・・・ああ、狭霧は人間だからな。知らないのも当然か。
 なら我々魔物と人間との大戦のことは知っているか?
 かつてこの愚者の迷宮に席巻していた、我らの魔王との戦いのことだ」
「それなら知っている。おまえら魔物がこの迷宮で暮らすきっかけとなった、あの大戦争のことだな?」

即答。どうやら魔物と人間の戦いとは相当大きなものだったらしい。
魔王が出てくるくらいだから当然か。

「そうだ。その頃は屍山血河、血で血を洗う壮絶な戦いでな。
 世界中を舞台にした大戦争だったそうだ。
 ソウルイーター様はカグラ様と同じく、その戦場の最前線で戦い、生き残った我々魔物の英雄の1人だ」
「英雄の1人・・・ってことは他にもいるってことか?」
「ああ。かつてはカグラ様、ソウルイーター様の他に4人いらっしゃった。
 そのうち、お2人はこの迷宮を守る長き戦いで行方知れずとなったがな。
 残った英雄、そのお1人がソウルイーター様というわけだ」

アイツ、そんな偉いヤツだったのか・・・。
確かに着ていた服からして何か豪華で、気品みたいなものがあったもんな。
オレが胸がQカップになる前の彼女の姿を思い出す。
オルゾスはいい機会とでも思ったのか、ソウルイーターについてさらに詳しい説明をしてくれた。
なんだかんだ言って、結構優しいヤツなのである。

「ソウルイーター様の一族はとても強いが個体数の少ない種族でな。
 あの戦いで同族は滅び、今やあの方1人を残すだけとなってしまった」
「なるほど、戦争で生き残ってしまった種族の最後の1匹というわけか」

狭霧が納得したかのようにうなずいた。
滅びかけの魔物・・・か。アイツ、確かにそんなこと言ってたな。

「大戦後、ソウルイーター様はしばらくこの内区に住んでおられたが、死に場所を求めてどこかへ姿を消したと言われている。
 まさかお1人で最下層にお住まいになっていたとは思わなかったがな」
「――死に場所?」

オルゾスの発言にオレは思わずマヌケな声を上げた。
アイツ、自分があそこにいるのは仲間を傷つけないためじゃなかったのか?
もしかして長いことあそこで暮らしていたせいで、話が変な風に進んでる?

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