PiPi's World 投稿小説

モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 169
 171
の最後へ

モンスターハーレム 第2章 171

・・・と。そう言いたいのだが、狭霧の静かなる怒りが反論を許さない。
うかつなことを口走れば、その時点で殺されかねない殺気を放っていた。
さらにその隣では大きくなった身体を隠しきれてないミミが、つぶらな瞳でじっとこちらを見ている。
涙ながらにじっとこちらを見るその目は、『私を捨てたりしませんよね?』『私、いらない子じゃないですよね?』などと不安と恐怖を如実に物語っている。
別にオレを攻め立てているつもりはないとわかっているのだが・・・。
何だろう、この居心地の悪さは。何も悪いことなんてしてないはずなのに。

「まったく・・・しかもよりにもよってソウルイーター様に手を出すとは怖いもの知らずにも程がある!」
「え?おまえ、アイツのこと知ってんの?」

怒り冷めやらぬオルゾスの何気ないセリフ。
それはオレがこの地獄から逃れるためにたらされた、1本の蜘蛛の糸だった。
しかしそれはとても細く、今にも切れそうな頼りないものだった。
なぜなら。ソウルイーターはかなり有名な人物だったらしく、オルゾスとミミが驚愕と怒りでオルゾスは目を、ミミはウサ耳を吊り上げたから。

「あわわわ・・・っ!どどど、どうしましょうっ!?
 ここ、これでソウルイーター様がお怒りなったりしたら・・・っ!
 で、でも逆にラグ様のことを気に入られてでもしたら・・・っ!
 あう〜〜〜っ!?ど、どうしたらいいんですかぁ〜〜〜っ!?」
「きっ・・・!き、き、き、きっさっまぁ〜〜〜ッ!
 相手がどれだけ偉大な人物とも知らずに手にかけたのかッ!?」

何?何なの?あのヒト、そんな偉いヒトだったの?
あんなさびしいところにいたし、自分のこと滅びかけの魔物だなんて言ってたから、てっきり飛ばされたカグラの元側近か何かだと思ってたんですけど?
しかしオレにその答えを聞く機会は来そうにない。
ミミは1人パニックに陥り、話なんてできる状態にない。
オルゾスにいたっては今にもオレを抹殺しそうな勢いだ。
これはまた覚悟しといたほうがいーかな、などと半ば他人事のように考えていると。
この場で唯一ソウルイーターのことを知らない狭霧が、ひょいと助け舟を出してくれた。
たぶん、偶然なんだろけど。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す