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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 155

自分はあくまで先代魔王の妻であり、自分はその器ではない・・・と言って。
そして彼女はオスがいないためにゆっくり滅びつつある魔物の血筋を残すために禁忌に手を染めた。
それがリザの知る限りのカグラの話であった。
キノと一緒にそれを聞いていたオレは、彼女の見せる不可解な行動や言動などを総合してある答えを推測した。

(・・・もしかしてあの女、オレに先代魔王の仇を討たせたいんじゃないのか?)

そう考えればかなり納得ができる。
ただこの推測もいくつかおかしなところがある。
1つはなぜ自分で仇を討ちに行かないのかということだ。
仮にも次の魔王として目されていたのだから、自分が魔王となれば人間たちへの復讐なんていつでもできるだろう。
そして次に何でわざわざ禁忌に手を染めたのか。
人間に復讐したいなら、強い1体の魔物より弱い魔物を何体も蘇生させてしまえば、そこから魔物の軍勢の復活を見込めたはずだ。
魔物にとって自分たちより強い魔物を蘇らせることが禁忌なのであって、弱い魔物を蘇生することは禁忌ではないのだから。
なのにあの女はわざわざ周囲の反感を買ってまでオレという禁忌に手を染めた。
アイツの目的は人間の復讐以外になにかあるということなのだろうか・・・?

「パパ・・・?」

考え込むオレに、キノがぎゅっとオレの服の袖をつかんできた。
今の話を理解できずとも、オレの真剣な様子にただ事ではない何かを感じ取ったようだ。
キノの不安げな様子に、オレはちょっと反省する。

(いかんいかん。確たる証拠もないただの推論で何を真剣に考えてるんだ、オレは。
 キノを不安がらせるくらいに考えたところで何の意味もないんだぞ?)

そうだ。推論なんて今は考えている場合じゃない。
今すべきはあの女が敵か味方か、確たる証拠を見つけることだ。
味方ならば放置すればよし。敵ならば殺すなりオレの奴隷にするなりすればいい。
リザとか妊婦を不安がらせたら腹のガキたちの教育にもよくないしな。
オレはいったん思考を停止すると、キノの頭をわしわしと撫でくり回した。
心配することは何もない。みんなオレに任せておけ。
心の中でそうつぶやきながら。

――――

「あっ、あっ!?ああッ!?」
「おらおら、もっとオレのモンがほしけりゃ、オレの部下としてちゃんとしねえかっ!?」
「は、はいぃッ!?かしこまりました、ご主人様ぁッ!?」
「聞くっ!キクのぉッ!?ご主人様に抱いてもらうためなら何でもするぅっ!!」

カグラと2回目の謁見を済ませてから数日。
オレは情報収集のために元反対派の兵士をしつけるために内区を駆けずり回っていた。

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