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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 153


いくら地上に行けるチャンスを得たとしても、無用なリスクはできるだけ避けたい。
オレはもっと情報やアイテムをふんだくってやろうと、ごね始めた。
だがそんなオレの反応すら予測済みだったのか、カグラは微笑みを絶やすことはなかった。

「ふふふ・・・大丈夫ですよ。反対派がいなくなった以上、この迷宮にあなたの敵対勢力は存在しません。
 何よりこの愚者の迷宮は最大級のダンジョンにして、魔物の数少ない居住区の1つです。
 あなたの嫌がる魔王の座に代わる人材も見つかるかもしれませんよ?」
「・・・アンタの言葉とは思えないな。新しい女でも囲えってか?」
「私としてはあなたが強くなり、子作りに励むことは望むところですから。
 それに私は信じているんですよ?」

その時だった。微笑みを浮かべるカグラの表情が一瞬。
ほんの一瞬だけ鳥肌が立つような壮絶なものに変わったのだ。

「――あなたは必ず魔王となって人間たちと戦う。
 あなたの意思とは関係なく。魔王とは最強の魔物であり、魔物を統べる暴君、覇王なのですから――」

しかし変化は一瞬のこと。カグラはすぐにいつもの笑顔に戻って言葉を続けた。

「ふふ、そんなに驚かないでください。これは私が勝手に思っていること。
 あなたに無理やりやらせようだなんて思っていませんから」

・・・うそつけ。あんな顔見せつけられて『はい、そうですか』なんて納得できるか。
あれがおまえの本心。本性か?
衛兵たちは一瞬の主人の変化に戸惑い、リザとキノなんて怯えてオレに張り付いている。
・・・もしかしてコイツ、オレが思っている以上にヤバい相手だったりするのか!?

「そうそう。どうせでしたら最下層に行ってみてはいかがですか?
 そこにいるソウルイーターという魔物に会えれば、いろいろおもしろいことを聞かせてくれると思いますよ?」

おもしろいこと・・・ね。
自分の事を聞くなり、ここから逃げ出すなりしたかったら自分で動けということか。
不気味なまでの微笑を浮かべるカグラを冷や汗混じりににらみつける。

「いいアドバイスをありがとうよ。お言葉に甘えてさっそく行ってみるよ。
 いろいろ聞いてみたいこともあるしな」

オレはそう言うと、きびすを返してその場を後にした。
一刻も早くこの場から立ち去りたかったのだ。
こうして魔王代行との会談はいろいろなものを残して終わりを迎えた。

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