PiPi's World 投稿小説

モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 149
 151
の最後へ

モンスターハーレム 第2章 151

オレは内心で思いつく限りの悪態をつきながら開かれていく扉を見つめる。
退路を断たれたオレはやむなくあの女の思惑に前に進む。
それがオレにとって、本当に前に進んでいるのかどうか、はなはだ疑問ではあったけれども。
不満を隠そうともせずに謁見の間に入室すると。
そこには意外な先客がオレの到着を待っていた。

「パパっ!」
「ラグ様っ!」
「キノ?リザ?な、何でおまえらがここに!?」
「私の古い友人が途中まで案内してくれたのですよ。
 しかし感心しませんね。仮にも妊婦と子供を最下層に行かせるなんて・・・」

出たな、親玉。そう思いながら顔を上げた先には苦笑を浮かべるカグラの姿が。
そのまわりにはあの時と同じように、剣や槍を携えた重武装の兵士たちが警備に当たっていた。
オレはキノとリザを抱きしめ、あやしながら反論する。

「最下層?何のことだ?
 オレはただ、リザがケンカに巻き込まれないような場所に連れて行けと頼んだだけだぜ」
「おなかの子供を案じるのなら、なおのこと行かせるべきではありませんね。
 この愚者の迷宮には人間以外にもいろいろ危険なことがあるのですから」

口調こそ優しいが、そこには有無を言わせない力がある。
まるで悪いことをした子供をたしなめる母親のようだ。
実際、オレを作る提案した人物なのだから、しっかり手綱は握っておきたいのだろう。
まぁ確かに今回はオレに非があるわけだし、今は素直に聞いておくか。

「確かにそっちの言うとおりだな。悪かった。
 サカってるオレの女たちのほうもちゃんとしつけるようにするよ」
「そうしていただけると助かります」
「ただ、こっちもこのダンジョンの全体を把握していないんでな。
 できれば地図か何かよこしてもらえるとありがたいんだが」

その言葉にカグラはにっこりと微笑んだ。
待っていましたと言わんばかりに。
その聖母のごとき微笑が悪魔の歓喜のように見えるのは、たぶんオレの気のせいじゃないんだろうな。

「ええ、もちろんですとも。今日、あなたをお呼びしたのもそのためなんです」

わぁいナイスタイミング。などと喜ぶ気はまるでない。
むしろオレはカグラに対する警戒心を強めた。
いよいよオレに魔王の座を譲って、自分は引退するつもりか?
そんなオレの様子にカグラはどこまでも優しく微笑んだ。
気分は神の掌で踊る1匹のサルのようだ。

「そんなに警戒しないでください。お渡しするのはただの地図ですよ」

そう言って彼女はおもむろに右手を挙げる。
すると部下の1人がオレの元に歩み寄り、1枚の紙切れをよこしてきた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す