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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 147

しかし彼女らの災難はここだけではとどまらない。
あまりに深すぎるために人間も魔物もやってこないこの寂しい場所、最下層。
ここには、ある1体のとんでもない高レベルモンスターが住み着いていた。
彼女はあまりに危険すぎるその能力から、魔王代行カグラから正規ルートを通る人間の排除という名目で隔離されているのだ。
何も知らないキノとリザ。彼女らは無事、危険人物と遭遇せずに『内区』へ戻ることができるのだろうか・・・?
結論から言ってそれは不可能に近かった。
リザは内区ならある程度知っているが、来たこともない最下層の地理なんて知るわけがない。
生まれて間もないキノに至っては論外だ。
残る手段は人に聞くくらいだが、誰もいない状況では道の聞きようもない。
まさに八方ふさがり。隔離されたモンスターの餌食になるのを待つしかないような状況だった。

「・・・誰もいない」
「そりゃそうですよぉ〜。人がいないほういないほうに来たんですから〜」
「私、どうしたらいい?」
「そうですね〜。こういうときは人に道を聞くか、通信魔法で救援を呼ぶんですけど・・・。
 まわりには人っ子1人いないし、私は魔法が使えませんし・・・」
「なら、人を探しに行こう」
「ふえっ!?だ、ダメですよ、キノさんっ。
 今動いたら余計に事態が悪化しちゃいますって!」
「あら・・・どうかしたの?」
「どうもこうもないですよ!私たち、今迷子になっているのに、このコったら住んでる人に道を聞くって聞かなくて・・・!」
「迷子?それは大変ね。私でよければ手を貸しましょうか?」
「ホントですか!?助かります・・・って、うわあぁっ!?」

リザが背後からの声に感謝の意思を伝えようと振り向くと。
そこには全身から青白い炎とも陽炎ともつかないモノを全身にまとわせた妙齢の女性が立っていた。
彼女はこの最下層に隔離された危険人物。
それはかつて死の象徴と恐れられ、今や絶滅寸前の高レベルモンスターであった。
もっとも生まれたばかりのキノと下っ端のまとめ役だったリザが彼女を知っているわけがなく。
突然現れた謎の女性にただただ驚くばかりであった。

「い、いきなり何ですか、あなた!?」
「誰?」
「あらあら、驚かせちゃってごめんなさいね。
 私の名前はソウルイーター。この愚者の迷宮の最下層に住む魔物よ」
「ソウルイーター?変わった名前」
「こ、こらキノちゃんっ!?」
「そうかしら?これほど私にぴったりな名前は他にないと思うけど」

キノの率直な感想にソウルイーターはそうかなとばかりに小首をかしげる。

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