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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 127

そもそも封育樹が実をならすなど前代未聞だ。
血で育てることから異端の技として伝えられていたものだが、このようなことがあった事実は古文書などにも一度として書かれていなかった。
異端の技術であるがゆえに深いところまで研究されていなかったのかもしれない。

「さすがは禁忌の者。その存在は私の思考をも越えるということか」

頭の中で本能があの男を危険だと警告する声がする。
だが謎の人物はその声をうるさいとばかりに切って捨てた。
ここまでやっておいて、今さら我が身がかわいいとでも言うのか?
くだらない。私が望むのはただ1つ。
そのためならば何を犠牲にしようが惜しくはない。
有能な部下だろうと同族だろうと、何だってくれてやる。
自分の命や魂だってくれてやろう。
謎の人物はそう自分に言い聞かせながら初心に返ると、再び水晶越しにラグを見ながら静かに策を練り始めた。
光差さぬ暗闇の中で、深く、静かに―――。

――――


ロカとサークの治療が終わり。
反対派の隠していた封育樹は、謎の木の実を残して崩壊という形で幕を閉じた。
これでこの『愚者の迷宮』に敵対する存在はなし。
後はここに攻め入ってくる人間たちを何とかすればそれでよし!
・・・なんて単純なことにはならなかった。
あの一件の後、オレは今まで好き勝手やっていたそのツケを支払わされることとなったのだ。
結果だけ言うと、オルゾス・リザ・サルスベリ・ロカの4人が懐妊した。
もちろんオスはオレしかいないから、父親はオレ。
この事実に、魔物たちは大いに盛り上がった。
何しろこの薄暗い迷宮で滅びていくだけと思われた自分たちが、次の時代に命をつなぐことができるのだから。
本人たちが喜ぶならまだしも、まわりがあんまり喜ぶものだから、オレは『何か反応間違ってない?』と違和感さえ覚えた。
この辺は魔物ならではの感覚なのだろう。
ちなみに4人の反応は三者三様だった。
まずオルゾス。

「う・・・ううっ。こ、この私が・・・よりにもよってあの男の子供を宿してしまうとは・・・っ!
 このオルゾス、一生の不覚っ・・・!」
「おいおい、そんなに落ち込まないでくれよ。
 そんなに落ち込まれるとオレのほうが傷つく」
「うるさいっ!おまえなんかに私の気持ちがわかってたまるかっ!?
 ううっ、かわいそうに・・・!
 この子は我ら魔物の希望の星なのに・・・よりにもよってあんな男が父親なんて・・・ッ!」

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