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モンスターハーレム 第2章
官能リレー小説 - ファンタジー系

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モンスターハーレム 第2章 126

オレは慌てて木の実を見ると、そのうちの1つが破れ、中から黒い人影が外に出ようともがいているのだ!

「ッ!?な、ななななッ・・・!?」

驚いたオレは慌ててロカたちを抱えて距離をとる。
木の実の中の人影はよほど外に出たいのか、木の実の形をゆがませ、飛び出させたその手で必死に虚空をつかむ。
しかしオレは間違ってもその手を取りたいとは思わない。
できたばかりの木の実に人がいるだけでもびっくりだと言うのに、その飛び出した手は血色の木の実の果汁でいい感じに猟奇的な感じを演出していたのだ。
タイトルをつけるなら、『母親を殺して生まれる魔性の子供』と言うところか。
ちなみに他の3つは何の反応もない。
グジュグジュと果肉を潰し、果汁を滴らせて出てきたもの。
その正体が、今その姿を現した。

ベシャッ!!

血の羊水(果汁)から出てきたのは1人の子供。
顔はよく見えないが髪の毛は長く、クセっ毛っぽい。
性別は・・・たぶん、女。
木の実から生まれるような生き物に、性別があるかどうかは知らんけど。

「あ〜〜・・・う〜・・・」

少女は身体についた果汁が気持ち悪いのか、言葉にならない声を発しながら、しきりに身じろきしたり顔をこすったりしている。
突然現れた謎の少女に、オレはあっけに取られて少女を見つめていると。
ふと彼女と視線が合った。そして少女は一言。

「ぱ〜・・・。ぱ〜」
「・・・へ?」
「ぱ〜ぱ〜。ぱ〜・・・ぱ〜」

一瞬思考が吹っ飛んだ。
何?このコ、私のことを『パパ』とか呼んでいませんか!?

「ちょ、ちょっと待て!オレはおまえの父親なんかじゃ・・・ッ!」
「ぱ〜ぱ〜♪ぱ〜ぱ〜♪」

楽しそうに、実に楽しそうに慌てるオレに『パパ』と連呼する少女。
もしかしてインプリンティング(刷り込み)とかいうヤツでオレを親だと思い込んじまったのか?
わけがわからない。だがオレがミミたちに子供産ませる前に赤の他人(?)の父親になってしまったことだけは確かであった。

――――
「・・・・・・」

一方。暗闇の中で謎の人物は事の成り行きを全て見届けていた。
しかしその顔は決して明るいものではない。
それはこの人物にとって予想外の事態だったことがうかがえる。

「・・・まさか封育樹が実をつけ、その中から子供が出てくるとは」

信じられないことの連続だった。この人物の予想としてはロカとサークを治療し、ラグのとりことなるとばかり思っていたというのに。

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