モンスターハーレム 第2章 124
オレはやりたい放題やった自分を殴り飛ばしたい衝動に駆られながら、それでも必死に女たちを運ぶ。
その甲斐あって、木の外で倒れていた女たちは無事外へ連れ出すことができた。
「ふーっ。よかったよかった。これでナマモノ樹木の外にいた女たちは全部・・・って、樹木の外!?」
安堵のため息をつこうとしたその時、オレは重大な事実を思い出した。
最初にオレの餌食となったロカとサーク。
あの2人のことが木の中にいたことをすっかり忘れていた!
(し、しまった!あいつら大丈夫か!?)
あの2人は封育樹のうろの中だ。
木の崩壊の影響をもろに食らう、危険地帯の真っ只中だ。
一瞬頭の中でもう手遅れだ、という考えがよぎる。
だがあの2人には返しきれない恩と借りがある。
それの返済もまだ済んでないうちから見殺しになんてできるものか!
そう思ったときにはもうオレは走り出していた。
崩れゆく木は半分くらいの体積に減り、床ははがれた樹皮で埋め尽くされている。
もういつ木が倒れてもおかしくない中、オレは木の中に走っていく。
そしてオレがうろに入るのに合わせるように、木が音を立てて崩れ始める。
おいおい、いくらオレが物語の主人公だからって都合がよすぎるだろ!?
・・・って何言ってんだ、オレはっ!?
「うおおぉぉーーーーッ!?」
ゴゴゴゴゴ・・・ゴオ・・・オォン・・・ッ!!
そして隠し部屋の封育樹は、オレとロカたちを飲み込んで倒壊した。
――――BAD END?
「・・・ってンなわけねえだろがッ!?」
自分でもわけのわからんフレーズに突っ込みながら、オレは部屋の半分以上を埋め尽くす封育樹の倒れた破片の中から顔を出す。
その両脇には全身精液&汗&愛液まみれのロカとサークが抱えられている。
2人ともに意識はない。気絶していた。
「あーもー、何言ってんだオレ。
どうもテンパるとおかしなこと言う癖がついてるな・・・」
オレはぶつくさ自分の悪癖を嘆きながら封育樹の破片から下半身を引っこ抜いた。
まったく危ないところであった。
木が倒れてきたときはもうダメかとも思ったが、木はオレにぶつかると、まるで幻影か何かのようにもろくも崩れてしまったのだ。
外見だけでなく中身もボロボロになっていたらしい。
「しっかし・・・一体なんで急に枯れたりしたんだ?
いきなり寿命を迎えたわけでもあるまいし・・・」
確かに体内と言うべき樹液に満たされたうろの中でナニをしちゃったわけだが、この木は魔物の血液を養分に育つはず。
魔力満点の血肉を食らっておいて、なぜ枯れる?