モンスターハーレム 第2章 122
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オレの頭にある技が閃いた。
よおーし、そこまで暴れるならこれでも・・・・・・
「電磁バリア!!発動ォーーー!!」
ババババババババババビビビビビビビビビビ!!!
凄まじい電流が発生し、オレの全身が電気で防護された。
精液と愛液と母乳と樹液で、全員がひと連なりの導体と化していたところにこの一撃は強烈だった。
「ぎゃああーーー!!」
「あふ、ああーーーー!!」
「ぎえええ!!!」
誰もが電撃を浴び、痺れる者、呻き苦しむ者、超快感に捉われる者。
特に、近くにいた狭霧達4人には痛烈に効いた。
「はあああ、危なかったぜ。」
動かなくなった4人を見回しながらオレはつぶやいた。
周りでは他の女たちがイっちゃった顔で横たわっている。
どっくん
どっくん
どっくん・・・・・
どこからか、鼓動のような音がする。
誰もが動かなくなった中、1人立つオレの耳に、その音は聞こえてきた。
音がしたほうを見てみる。
罅割れていた封育樹が、しだいに再生していく音だ。強烈な電撃がエネルギーになり、回復しているのだろう。
見ているうちに罅がふさがってゆき、元の威容を取り戻しつつあった。
「ほっ。よかった、壊れていなかったか」
何しろいきなりヒビが入った上、電撃なんぞをかましてしまったのだ。
普通の木だったら、間違いなく炎上か修復不能になっていることだろう。
オレは心底安心した様子で木に手を伸ばした。その時だ。
ドシャッ!
「ぶぎゃッ!?」
突然上空から重いものが落下し、オレの身体を踏み潰した!
まるで木が突っ込みを入れたようなタイミングだ。
「ぐ・・・おお?な、何じゃこりゃあ!?」
完璧に不意をつかれたオレは落ちてきたものの正体を確かめるべく、重い何かから這い出した。
見ればそれは巨大な木の実であった。
血のように真っ赤なそれはバカにでかく、人間の子供くらいの大きさはある。
「木の実・・・だよな、これ?もしかして・・・コイツのか?」
あまりの大きさに自信なさげにつぶやくオレ。
見上げた先にはいつの間にかすっかり花を散らした、封育樹の枝。
「・・・食えるのか、これ?」
そして次に出たのがこの疑問。
そもそもオレはコイツが何で育てられていて、何の目的で使われるかくらいしか知らない。
これを反対派やロカやオルゾスたちが見たら驚いたことだろう。
なぜなら封育樹は花をつけたことはもちろん、実をならしたことさえなかったのだから。
しかし何も知らないオレは、好奇心の赴くままに謎の木の実の観察を続けた。