モンスターハーレム 第2章 112
その瞳には憎々しげな視線と困惑、そして先ほどより明らかに薄れた殺意が浮かんでいる。
・・・まだ耐えられますか。さすがは将軍クラスのモンスター。
んじゃ、リクエストにお応えしてもっと気持ちよくしてあげようかね。
オレはそんなことを考えながら、ゆっくりと血のにじむ肩に口を寄せた。
そして傷口をべろりとなめ上げる。
「・・・ッ!?」
培養液の効果ですでに傷はふさがっていたが、まだ治りたてで知覚過敏になっているようだ。
注ぎ込んだフェロモン効果もあって、サークは驚いたように身体を震わせた。
そして次の瞬間、再び肩口にがぶりと噛み付く。
今度は痛みを与えるように強く、深く。
「・・・ぁ・・・ッ!」
小さな悲鳴がサークの口から漏れる。
大声で悲鳴を上げないあたり、先に注入したフェロモンが効いているのだろう。
痛みとそれを上回る愉悦がサークの身体と心を蝕む。
(く、くそッ!?な、何だ!?何なんだ、この感覚はッ!?
痛みはあるのに、意識が朦朧としてくるっ。
身体から力が抜ける!毒か?呪いか?
コイツは一体私に何をしたんだ!?)
身体を動かせないサークは混乱した。
それは彼女の長い人生において初めての経験だった。
バーサーカーである彼女が知っている感情と言えば、強者を倒す喜び、弱者を踏みにじる感動。
戦いが終わってしまった悲しみ、くだらない浅知恵で戦いを汚されたときの怒り。
全て破壊と虐殺、戦いに関するものばかりだ。
それゆえ彼女は性の快感、気持ちいいという感覚が理解できなかったのだ。
まして彼女は意識のないとき、オレの手によってその身体を開発されている。
心と身体のバランスがとれないサークにできるのは、ヤジロベエのように奈落に落ちまいと理性の頂点で意識を保ち続けることだけ。
しかし今はそれでいい。
死を覚悟していきなり封身解放されることが、オレはもっとも怖かったから。
せいぜい初めての感覚に混乱しているがいい、サーク。
おまえが封身解放を遅らせれば遅らせるほど、こちらの思うつぼなのだから。
オレは欲望のまま暗い笑みを浮かべる。
子供がアリをアリ地獄に放り込んでその反応を楽しむような、そんな残酷な笑みを。
「くッ・・・かッ・・・あぁッ・・・!」
オレが2度目のフェロモンの注入を終わらせた時、さすがのサークもすっかりできあがっていた。
まだ理性こそ残っているが、身体のほうはすっかり発情している。
体はオレを求めているのに、心はオレを拒んで殺そうとしている。
そのギャップがまたすごくオレの情欲を刺激する。
まず第1段階は完了といったところである。
さて次の第2段階。これからサークを徹底的になぶる。
思いつく限りの恥辱を実行し尽くしてサークの身体を完全に開発する。