モンスターハーレム 第2章 106
気づくとオレは封育樹の培養液の中で、ロカを貫いた状態で漂っていた。
いつの間にか気絶か何かしていたようだ。
夢でも見ていたのか?そんな考えが一瞬よぎったその時。
『妖狐族ロカ。石化呪法解除率88%。回復率75%』
頭の中にいきなり妙なフレーズが流れてきた。
それは夢を見ていたとき、頭の中に膨大な知識が流れ込んできたあの感覚にそっくりだった。
夢じゃなかったのか――?
突然の出来事に動揺していると、オレに貫かれたままのロカが尻に力を入れて膣内の剛直を締め上げてきた。
「う、おおぉうっ!?」
不意をつかれたこともあり、オレは思わず驚く。
いきなり何しやがるんだとロカをにらみつけると。
眉をひそめ、明らかに不機嫌そうにしているロカの顔がこちらを見ていた。
「・・・何をボーッとしておる?こっちはおまえが突いてくるのをさっきからずっと待っておるのじゃぞ?
抱いている女に対して少し失礼ではないのか?」
「あ、ああ・・・悪い」
もともとこれは治療の一環から始まったんだろーが。
オレはそう文句を言いたかったが、ロカの視線の圧力にそう答えるのが精一杯だった。
ちくしょう。オレがちょっと本気を出せばおまえくらい、すぐにヒイヒイ言わせてやれるんだぞ!?
そんな負け犬の遠吠えのようなセリフを口にしたその時だ。
再び頭の中に妙なフレーズが怒涛のごとく浮かんできた。
「お・・・?」
それは『女殺し百選』とも言うべき、サキュバスやバンパイアの知識であった。
彼らは血や生命エネルギーを効率よく吸血するためにさまざまな生態や技術を開発してきた。
血を吸った相手を隷属させたり、みだらな夢を見せたり、快感を増幅させたり。
何をどうすればそれらを行うことができるか。
その知識がオレの頭に流れ込んでくるのだ。
突然のことに、オレは一瞬驚いたがすぐに気を取り直して不敵な笑みを浮かべる。
オレはロカに許しを懇願するまで責め立てたいと思っていたのだ。
何でこんなことが思い浮かぶようになったのかは知らないが、都合がいいじゃないか。
オレは本能に突き動かされるまま、ロカの唇に吸い付いた。
「うむっ・・・む!?む、む、むぐぐぅッ!?」
オレの変化に気づかずキスをしたロカであったが、尋常じゃない快楽にとっさに唇を外そうとする。
サキュバスは精気を吸うとき、微量のフェロモンを混ぜ込んで相手を酩酊状態にする。
言わばちょっとした催淫魔法みたいなものだ。
オレはその知識を利用し、フェロモンの代わりに大量の魔力を唾液にこめて送り込んでやった。
下戸にアルコール度数の高い酒を水と称し、飲ませてやったような感じなのかな。