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デメリアの門
官能リレー小説 - ファンタジー系

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デメリアの門 10


「んふっ・・・♪んっんっ、んんぅんっ・・・♪」
「ギュフッ♪ギュッ、ギュッ、ギューッ♪」
「ジュル、ジュルジュルジュル・・・」

一糸まとわぬ、子供くらいの大きさの女性が2匹のゴブリンを我が子のように抱き上げ、乳を吸わせている光景だった。
この光景を見た彼らは、自分の目を疑った。
それくらい、目の前で行われていることは異常なことだ。
ゴブリンと言えば粗暴で狡猾、血も涙もない連中だ。
他種族の女性をさらって繁殖用に使うことはあるが、その扱いはまさに奴隷。
あの女性が安らかな微笑みを浮かべることなどまずありえない。
となると、次に浮かんでくるのは魔法か薬で操っている可能性なのだが・・・これも妙な話だ。
魔法や薬などで操れるなら、わざわざ身体を差し出す必要なんてないからだ。
いったいあの少女はゴブリンとどんな関係で身体を差し出しているのか?
みな、目の前の光景に好奇心丸出しで覗いていると。

「・・・?・・・!キュウゥゥッ♪キュイィィィッ?」

アクセリたちの存在に気づいた少女が、ニッコリ笑ってこちらにおいでと手招きし始めた。
どうやら彼女は人間の言葉を話せないらしい。
よく見ればその耳は人間のそれではなく、エルフなどの亜人種によく見られる尖った耳をしている。
隠れていたことがバレた調査団は、ほとんど反射的にその場から逃げ出した。
接触すればここで起きている異常を知ることができたかもしれないが、覗き見していたという後ろめたさと凶悪なゴブリンと仲良くしている異常さへの恐怖から逃げてしまったのだ。
待ってとばかりに後ろで声を上げる少女の奇声を振り払い、一目散に逃げる調査団。
しかし運が悪い時にはよくないことが重なるもの。
逃げた先にはもっと凶悪なモンスターが甘い蜜月のひと時を満喫していたのだった。
それはワイルドベアと呼ばれる、巨大なクマのつがいの交尾の真っ最中。
普段は洞窟など巣でするはずの行為を、人目もはばからず道のそばの茂みで楽しんでいる。
こういうとき、獣は怒り狂って邪魔者を排除しようとするのだが。
連中はちらりと一瞥しただけで、攻撃どころか行為そのものをやめようともせず、交尾を楽しんでいた。
ぐっちょんぐちょんと出入りする熊の巨根。そこは光り輝いていた。
なにか発光する物が絡みつき、快感と興奮を助長しているらしかった。
誰かがポツリと漏らす。
「なあ、この光…降り注いだ物に似ていないか」
「そう言われてみれば、色は同じだな」
ここまでくれば、さすがに調査団のメンバーも気づき始める。
昨日この辺り一帯に降り注いだ、あの光の噴水。
その水を浴びた、もしくは摂取したことで魔物たちは交尾に夢中になっているのではないかと。
となれば当然、その水たまりを歩いてきた自分たちも危ないのではとの懸念を抱く。
それに対し、もっとも困ったのはアクサリとガルドだ。
ここで退き返しては、何のために調査団に入ったのかわからなくなる。
せめてブルックリンの消息をわかるところまでは進んでもらわなくては。
そう思った2人は大芝居に打って出る。
「いや、おそらく大丈夫でしょう。
 これまで何度かあの虹色に光る白い水に触ってきましたが、誰も連中のように発情していない。
 直接触るか、飲んだりするとあんなふうになるんでしょうね」

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