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デメリアの門
官能リレー小説 - ファンタジー系

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デメリアの門 11

「そんなもの、ただの憶測だんべ?必ずそうだって保証はねえべさ」
「確かにこれは憶測だ。でもここで引き返したら、何もわからないままだぞ?
 ここの魔物たちはこの水のおかげでおとなしくなってるみたいだし、もうちょっと調査を続けておくべきだと俺は思う」
そう言われると村人たちはぐうの音も出ない。
わからないものを放置しておくことがどれだけ危険か、よくわかっているのだ。
こうして2人の意見はしぶしぶながら受け入れられ、調査が再開された。
念のため虹色に輝く水に触れないよう、細心の注意を払いながら・・・。

調査は何回か断念しかけたものの、思ったよりもスムーズに進んだ。
魔物たちは発情し、見かけても戦闘に発展することがなかったからだ。
むしろ交尾しようと迫ってくる連中を追い払うほうがたいへんだった。
うかつに攻撃して怒らせては元も子もない。
ただそのおかげで、魔物たちがおとなしいのはやはりあの不思議な水が原因で、直接触ったり飲むのは危ないという推論は正解に近いものであったと、調査員たちに肌で感じさせることとなった。
その証拠に、神殿跡地に近づけば近づくほど発情した魔物を見かけるようになり、それに比例して虹色の液体の水たまりがどんどん大きなものに変わっていく。
いいかげん濡れてない足場を探すのも困難になり、再び調査員たちが断念すべきか迷い始めたその時。
ここで調査団にあるイベントが起こる。
まるで行く手を遮るかのように、倒れる全裸の女性たちが発見されたのだ。
いや、それは少し正しくない。より正確に言うならば、全裸で倒れる男性1人と10人前後の女性たちが発見されたのだ。
全員とは行かないまでも、半分以上の身元はすぐにわかった。
なぜなら調査団の中に倒れているものたちの身内がいたからだ。すなわち―――。
「「ブルックリンっ!?」」
アクサリとガルトの探し人、ブルックリンもその中に含まれていた。
彼らはブルックリンの姿を見つけるなり、虹色に光る怪しい水のことも忘れて彼の介抱に駆け付けた。
その怪しい水はブルックリンの性器に絡み付いていた。
結合部を発光させていたワイルドベアと同じだ。
そんな事にも気づかずに駆け寄る2人…。なにが起こるかは明確だった。

光輝く水が柱のように持ち上がって3人を包み込んでしまう。
調査団の何人かが手を伸ばすがすでに時遅し。
3人を包み込んだ妖水は風船のように膨らみ、次の瞬間弾けてしまう。
当然その中には3人の姿はない。
その一連の流れはまるでマジック。
残った面々もはじけ飛んだ謎の水を浴び、その対処で追跡どころではない。
こうして3人は調査団から引き離され、いずこかへと連れ去られた。
え?どこに連れて行かれたか、だって?
そんなもの、決まっている。
あの虹色に輝く白い水の噴水を起こした、張本人のところである。




「「う、わ、あ、あ、あッ!?」」

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