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デメリアの門
官能リレー小説 - ファンタジー系

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デメリアの門 5

集められたのは人間だけではない。獣人の娘やブルックリンと同じエルフ。蛮族と思わしき娘もいる。
年齢も様々だ。双子らしき同じ顔の人間や、母娘と思わしきもの。
下は年端もいかない子供から上は熟れに熟れた熟女までそろえられている。
薄汚れた顔をしているものや血色のいいものもいることから、あたりかまわず集めてきたのだろう。
ありとあらゆるニーズに合わせたかのように集められた100人の全裸の女性。
なのにブルックリンの股間はピクリとも反応しなかった。
当然だ。どれだけ美人だろうと、意思のない人形のような女たちが男根像に祈りをささげて興奮などするものか。
それに儀式の進行役らしい女が口にしていた、『邪神にして子宝の神、ベルレス』とはいったい何なのだろう?
森に住んでいたとは言え、ブルックリンはエルフ。
見た目よりはるかに長く生きてきた彼であるが、その彼でも聞いたことのない神の名前だった。
古の時代にあったとされる神々の争いに敗れ、忘れられた悪魔、あるいは零落した神か何かだろうか?
ベルベルトたちの目的はわからない。
だが彼らはこの儀式を完成させるつもりはないらしい。
突入前の最後の準備を進めている。
結果はどうあれ、ここから先は血みどろの展開は避けられない。
今にも悲鳴を上げてここから逃げ出したい衝動と戦いながら、ブルックリンは息を殺して様子を見ていた。
やがて祈りの時間が終わり、儀式は次の段階へと進む。
進行役の女が手を上げると、最前列に並んでいた女の1人が前に歩き出す。
その先、祈りをささげる女たちと男根像の間にはいかにも『何かに使います〜♪』的な大きな穴。
そして進行役の女が叫ぶ。

「おお、偉大なる神ベルレスよ!あなた様のためにご用意した女を捧げます。
 どうぞ心行くまでお召し上がりください!」

次の瞬間、前に出た女が穴の中に姿を消した。飛び降りたのだ。
ブルックリンの全身からドッと気持ちの悪い汗が噴き出した。
人1人の命が終わったことも怖かった。
だがそれ以上に、穴に消える寸前に見せた女の表情が怖かったのだ。
それは恍惚の表情。自分の命が終わるというのに、恐怖どころか満面の笑みを浮かべて飛び降りたのだ。
光のない、あのうつろな目で。
人間より優れた視力と夜目を持つエルフの瞳がそれを捉えてしまったのだ。
ショックでブルックリンが固まる中、1人、また1人と女たちが穴の中に消えていく。
そのたびにブルックリンの心は悲鳴を上げ、きしみだす。
早く。早く止めてくれ。頭がどうにかなってしまいそうだ。
唯一この邪悪な儀式を止められるベルベルトたちに、ブルックリンは心の中でそう叫ばずにはいられなかった。
幸いにもその願いはすぐにかなえられた。
犠牲者が2ケタに入る前、ようやく準備を済ませた彼らが突入を開始したのだ。
進行役の女はナイフを取り出していた。迷いがない。
しかし、ベルトルトの斧の一撃に女の頭部はあっさりとかち割られた。
ただの進行役を倒したところで儀式は終わらない。カーテンの裏から次々と新手が飛び出す。
誰もが女で、手に武器を持っている。
「厄介な奴等だな!薬で強化してやがる」

しかも。ただのドーピングとは一線を画すもののようだ。

「ベルトルト、後ろッ!」
「・・・っとぉ!?」

薬袋を背負った仲間の声に言われるまま、ベルトルトが振り返ると。
そこにはつい先ほど頭をカチ割られたはずの女が復活し、手にしたナイフを彼の身体に突き立てようとしていた。
なりふり構わずその場を飛びのいて攻撃を回避すると。

ガキョッ!

外れたナイフがそのまま刃の根元まで地面に突き刺さった。
下はゴツゴツした岩である。それを細い腕の女(それも血まみれの)がただの1発で突き立てたのだ。

「う、うウウぅッ・・・!ウああぁぁァ・・・ッ!」
「・・・チッ!ただのドーピングとは違うってわけかよッ!?」

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