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デメリアの門
官能リレー小説 - ファンタジー系

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デメリアの門 4

町はずれともなれば、低級の魔物なり強盗なり出てくる可能性もある。
それなりの危険もあったが、旅に出るためにある程度の護身術を修めている。
ブルックリンはそのまま後をついていくことにした。
幸い、ベルトルトのパーティもブルックリンも、よけいなトラブルに見舞われることなくあっさりと目的地にたどり着いた。
町はずれの神殿。そこは荒れに荒れ、廃墟といったほうがいい外見を呈していた。
このようなところで何をするつもりなのか?
仲間の盗賊の話だと、ここに探し人がいるとのだが・・・。
誰もいない神殿を、盗賊先導のもと進んでいく。

「・・・ここだ」

すると彼は突然、何もないところで足を止める。
そして何もない床に這いつくばって何やら調べている。しばらくすると・・・。

―――ガコォン・・・ッ

(隠し階段・・・!)

突然、床から地下へと続く階段が現れる。
思わぬ展開にブルックリンは危うく出そうになる声を、すんでのところで何とか飲み込む。
尾行されているとは知らないベルトルトたちは、そこからさらに先へと進んでいく。
その様子を見てブルックリンは確信する。
ここから先はとても危険であること。そしてその危険に見合うだけのお宝が待っていることを。
一瞬アクセリとガルトの顔が浮かぶ。いったん戻って協力を仰ぐべきか?
だがブルックリンはすぐにその考えを否定した。
アクセリはともかく、ガルトは慎重派だ。リスクを恐れてどうこう言ってくるに違いない。
ヘタをすれば一獲千金のチャンスを潰される恐れもある。
何より、村に戻る間に全部終わってしまうことも考えられる。
1人でやるしかない。ブルックリンは生唾を飲んで覚悟を決め、開けっ放しの隠し階段を下りていく。
地下への階段には明かりなんて気の利いたものはなかったが、彼にはさほど問題にはならなかった。
ベルトルトたちらしき光が見えていたし、エルフである彼は人間より夜目が利くからだ。
いったいこの先に何が待っているのか?
その答えは彼の想像を絶するものだった。
何と地下には広間のような大きな空間があり。そこで数十人の人間たちが怪しい儀式を執り行っていたのだ・・・!
生臭い空気が薄暗い広間に充満している。
それは精液の臭いだった。それに不自然に混ざっているのはお香か花の甘い香り。
ブルックリンは一人で来たことを後悔した。彼はもう少し内情を探ってから来るべきだったのだ。
侵入者以外の誰もが全裸だった。
「ああ、もう儀式が始まっていたか。面倒だな」
盗賊風の男の声。
確かにベルトルト達は服を着ているので非常に目立っていた。
しかし広間の先客の誰もがトランス状態なので気付かれては居ないようだが…。
それにしても異様な光景である。
あちこちに火皿が立ち、ほのかにあたりを照らし。
あたりには全裸の女たちが一心に祈りを捧げている。
彼女たちが拝んでいる方向には、巨大な一本の男根像。
しかもその先端からは、白い液体が時折ぶしゅっと噴出している。
「変な儀式ね。何だか気持ち悪いわ。」
薬袋を背負った女が言った。
「邪神にして子宝の神、ベルレス・・・・」
魔法使いと思しき女が口元を手で押さえながら言った。
全裸の女たちは100人からいるだろうか。
誰もが、一心不乱に祈りの言葉を捧げている。

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