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アカシックファミリア
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アカシックファミリア 4

「いいや、あるさ。君は俺の妻になるんだからな。妻といえば夫の性欲を受け止める義務がある。それをなす為には君には勉強が必要なんだ。大丈夫、俺がキッチリと教育してあげるさ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」
余りにも自分勝手な台詞を聞いてフィアデルの顔が変わった。
普通の少女のように怯えたり、あるいは激怒するのではなく、ため息を漏らして、そして海のような穏やかな瞳を絶対零度のように凍らせる。
「なるほど。わかりました。結局の所、貴方は私の体が目的なんですね・・・・・この豚」
「っ! な、なんだと!」
突然の口調の変化に、貴族のお坊ちゃんが戸惑う中、フィアデルは自分の金髪を指で撫でる。
「先に言っておきますが貴方に私が捧げるものなど一欠けらもありません。私自身、髪の毛一本、血の一滴すらもあの方に捧げてますので、自分のモノでもないのですよ。だから、さっさと消えなさい」
フィアデルの指先が自前の金髪を三本引き抜く。
黄金色が輝く毛髪は彼女が指先を振るうと共に長く鋭い西洋の黄金剣へと練成される。その切っ先を向けて彼女は断言した。
「早くしないと死にますよ」
明確な敵意に、貴族の青年は僅かに青褪める。
「魔術だと!?」
「いいえ、これは錬金術です。まぁこの世界では流行ってないようですが」
「・・・・・・・・・嘘を・・・・・」
「?」
「嘘をついてたのか! 清純そうなフリをして俺を騙してたのか!! そんな口の悪いビッチだとは思ってなかったのに!」
まるで夢から冷めた少年のように絶叫する貴族の青年にフィアデルは冷笑を浮かべる。
「心外ですね。私もマスターの命だからこそ、しょうがなく他の男達に愛想を巻いてたのです。誰が好き好んでマスター以外の男に笑顔を振りまきますか」
ファンが効いたら失神しそうな台詞を冷笑と嘲笑を合わせながらフィアデルは黄金剣の切っ先を向ける。
「どっちにしろ、そんなことは、どうでもいいでしょう。さぁ、早く死ぬか、退くか、どっちかにして下さい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ」

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