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アカシックファミリア
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アカシックファミリア 3

「よし!」
貴族のボンボンは立ち上がりフィアデルに近づく。
フィアデルの方は俺たちの会話に気付いてないのか、学生にメニューを尋ねている途中だ。
何をするのかと他の客達も一斉に見守る中、ボンボンは呆れることに後ろからフィアデルを掴み、そして持ち上げて運び出そうとした。
「・・・・・・・・・は?」
「え?え?え?」
突然のこととはいえ、いきなりの店の中の拉致に俺は目を丸くし、フィアデルは不思議そうに声を漏らし、客はその行為にいきり立つ。
まぁ、殆どがフィアデルのファンのような奴等だ。
「テメェ、フィアデルちゃんになんてことをしやがる!!」
自分達のアイドルを攫おうとする不届き者にはそうなるよな。
しかし、驚くことはそれ以上にあった。
次の瞬間、店の中に巨大な魔導車が扉をぶち破って入ってきたんだ。
幸いなことにそこら辺には客はいなかったが、何やってんだ、こいつ等!?
「マスター!助けてくださいっ!!」
「請求書はここに送れ」
貴族のボンボンが一枚の紙を投げてくる。
思わず掴むと同時にボンボンはフィアデルを抱えたまま魔導車に乗り込み、そして、そのままバックで逃げやがった。
客も黙っちゃいない。さっきはファンと言ったが、まぁある意味、邪神を讃える狂信者並みの信奉心だ。
「撃て撃て撃てッ!!」
「フィアデルちゃんを助けるんだッ!!」
魔導車に向って魔術や投げナイフが投げるが、装甲に結界魔術が掘り込まれてるんだろう。
魔術の火やナイフは見えない壁にぶつかって弾かれる。この調子だと今夜ぐらいに貴族の坊ちゃんの家を襲撃するかもな。
「はぁ、めんどうだけど、しょうがないな」
俺は渡された紙に書かれた住所を見た。
「請求もオヤジに行くのかよ」
クシャリッ。
時は変わって、とある貴族の豪邸の地下室。
様々な淫靡な器具が並ぶ場所へと連れてこられたフィアデルは辺りを見回しながら、一滴の汗を零した。
「あ、あの・・・・・・ここは一体どこなんでしょう?」
「俺ん家の勉強室だ」
「べ、勉強室というには、普通の机もないんですけど」
「特別な勉強だからな」
貴族のお坊ちゃんは、そういうと壁にかけられていたラメ入りの鞭を取る。軽く振るとパシッと鋭い音が鳴った。
「そしてフィアデル、君の勉強室でもある」
「え、えっと・・・・私の勉強は必要ないかな〜」

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