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アカシックファミリア
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アカシックファミリア 1

魔法が発展した世界の大都市グランドラン。
街の端に、ここいらでは有名な喫茶店【イチジクの花】がいう店がある。
大通りにある店ではないが、今日もそれなりの人が賑わっている。
コーヒーは良心的な値段だが、それほど美味くない。それなのに人々、主に男が九割を占める客がやってくるのは、たった一つの理由がある。
「いらっしゃいませ♪」
この店の看板メイド、フィナデルが目当てなのだ。
今日もフィナデルが目当てで日雇い労働者、有名な大貴族区別なく店に訪れる
一日二十回以上は告白され、三回ほど婚約までせがまれる程、フィアデルの美貌は凄かった。

腰元まで伸ばされた美しい金髪、柔らかな母性的な顔立ち、海を思わせる碧眼。
そしてメイド服の胸元を突き上げる豊かな胸に、妖艶な腰の括れ、張りを思わせる腰元。
純粋無垢な処女の清純さと淫蕩な高級娼婦を思わせる肢体(スタイル)に男達は今日も大して美味くもないコーヒーを頼む。
実際の所、これほどの美貌と色気を漂わせるフィアデルは結構な回数襲われた。
夜道で、閉業した店の中で、あるいは真昼間の街道で。
それをさせるフィアデルの色気もまた異常だったが、襲いかかった男達は全て成功しなかった。
ある者は空から雷が降り注ぎ、ある者は小さな指先ほどの風穴が突如、腹に空き、ある者は突然精神を狂って、悉く失敗した。
普通ならば、そんなことになれば街の者達は殆ど怯えて店にやってこないだろう。
しかし、今日もイチジクの花には沢山の男たちが絶対に叶うことが無い思いを抱いてやってくる。
俺はコーヒーのコップを洗いながらため息をついた。
同じ男として同情する。
まぁ俺はフィアデルを思い存分、味わえる立場だけどな。
ん? 俺が誰だって?
ああ、そうか。まだ自己紹介はしてなかったな。
俺は、イチジクの花の店主であり、フィアデルのマスターだ。

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